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シャブリ不撓不屈04/シャブリ村は何処に有るか
もう少し地図を見ながらシャブリの位置関係をチェックしましょう。
パリから180kmほど南東に降りた街オーセールは、交易都市として中世から開けたところでした。セーヌ川の支流であるヨンヌ川に寄り添った街です。シャブリ村はこの街から東へ20kmほど陸路の先に在ります。この辺りは、けっして高い山ではありませんが、古生代から中生代の間に起きたヘルシニア造山運動によって、歪むように形成された正に波濤(うね)る大地が続く地域です。山がちな地域です。今でも山の緑が豊かな地域です。
その渓谷に、シャブリも、オーセールと同じように川に寄り添って出来上がった村です。中世は、陸路でのロジスティクが極めて困難な時代でしたから、フランス内陸部での運輸は大半が河川を利用して行われていました。だからフランスの主たる町は殆どが大きな川に面して造られています。シャブリも例外ではありません。
シャブリ村が寄り添う川は、スランSerein川と云います。シャブリは、スラン渓谷に造られた、先史時代から在る村なのです。
スラン川は、ブルゴーニュの西側モルバン山塊に近いソリュー高原を源流としています。けっして流量は多くないのですが、長さは188.2kmあり、フランスでは31番目に長い川です。最終的にはセーヌ川に注いでいます。山塊を抜けてスラン渓谷に入ると、川は湿地帯のように広がったり、また一本の川にまとまったりを繰り返します。きっと漁場として良かったのかもしれません。シャブリには新石器時代の人々が住んでいました。今でもその遺跡が点在しています。
しかしスラン川自身は、かなり気まぐれで、特に春場の雪解けの時期になると、とんでもなく太い奔流と化して、こうした湿地地帯に洪水をもたらします。これは今でも変わりません。
村が緩やかな斜面の所に在る理由は、きっとこれですね。
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