推し目線で考える”良いファン”の定義
推しが好きで好きで仕方がない。それがオタクというものです。
「推しを応援したい」
「推しが人気になって欲しい」
このような意識を持つのは良いことですが、中にはあまり推しのためにならないことをしてしまったり、エスカレートして迷惑行為にまで発展してしまうケースもあります。
推しのために行ったことが結果的に推しへの貢献にならない。それどころか推しの足を引っ張ってしまう。推す側にとっても推される側にとっても、こんな不幸なことはありません。
推し活をより有意義なものにするためにも、推し活の活動指針を定める必要があります。
そのための第一歩として、本記事では良いファンの定義について考え、言語化していこうと思います。
推しの社会的価値
良いファンの定義を考えるにあたり、まずは推しの社会的な存在意義を明確にしておく必要があります。
推しが社会に対してどのような価値提供をしているのかを把握できていないと、どういう方向性で力添えをすべきか判断できないからです。
提供している価値は、厳密には人それぞれ多少は異なりますが、エンターテイメント全般として共通しているものはあります。それは、他の社会活動を活性化させることです。
ここで皆さんに質問です。エンターテイメントは生きるのに必要でしょうか?
おそらくこの記事を読んでくださっている皆さんは「必要」と回答すると思います。しかし、衣食住さえ確保できれば人間は生きていけます。それでも本当に必要と言えるでしょうか?
きっと皆さんは「それでも必要だ!!」と思われたことでしょう。ではそう考えた理由は何でしょうか?
「推しがいないと人生楽しくないし、楽しくないなら生きてる意味がない」というのが、パッと思いつく回答かと思います。しかし、ここで考えを止めてしまうのは少し勿体ないです。もう少し深掘りしてみましょう。
感情の裏には必ず損得を伴う事象があります。グッズ販売列で横入りされたときに感じる怒りは、待ち時間や売り切れリスクの増加といった損失を強制的に押し付けられることで生まれますし、プレゼント企画で当選したときの喜びは、特別なものを入手できたという利益があるから生まれます。
「推しがいるから楽しい」というのも同様に、日常生活に対するモチベーションアップといった利益が裏にあります。しかし、この利益は主観的なもの。モチベーションがいくら上がったとしても、行動や成果に現れないければ、客観的に見て価値があるとは言えません。
このことをふまえると、推しの社会的価値は、ファンが推し活を他の社会活動に還元し、より高い成果を出すことで初めて生まれると言えます。
”良いファン”の定義
推しの活動も、言ってしまえばビジネスです。社会により多くの価値提供を行い、より多く稼ぎ、より裕福な生活をしたい。
しかし、モノや情報が溢れ、広告やキャンペーンが届きにくくなったた現代において、新規顧客の獲得は困難。ましてや人口減少や少子高齢化が進んでいる日本においては尚更です。
そんな状況で重要になってくるのが既存のファン。実際にファンを重要視した施策を打っている企業もあります。
前章で述べた通り、推しの社会的価値とはファンの社会還元の総量。つまりは、『ファン一人あたりの社会活動への還元量 × ファンの人数』で決まります。このことをふまえると、
自身の稼ぎを増やし、より多く推しに還元する
ファンを純増させる
これらに繋がる行為を意識的に実行しているファンこそが、推しの社会的価値を上げる良いファンであると言えます。
よくある良いファンの基準として「使った金額の多さ」「ファン歴の長さ」といったものがあります。日本は良くも悪くも協調性を重んじる文化があるので、このような周囲の人間の考えに流されるのも無理はありません。
しかし、いくら推しにお金を使ったとしても、いくら長くファンを続けていたとしても、一方でファンの数を減らしたり、ファンの増加を妨害してしまっては逆効果です。
先日お笑い芸人のロザンのお二人も、自身のYouTube動画でファンの良し悪しに言及しており、「悪いファンがいる世界には入っていきたくない」ということを仰っていました。(12:47~)
結果の良し悪しはあれど、どんなファンでも推しが好きなことに変わりはない。推しにとって自分が不利益な存在でも平気なファンなんていない。
だからこそ、推し活でも目的を明確にすること、自分を客観的に見る冷静さを持って挑むことが大切なのです。
まとめ
推しの社会的価値は、他の社会活動の活性化にある
推しの社会的価値
= ファンの社会還元の総量
= ファン一人あたりの社会活動への還元量 × ファンの人数良いファンとは以下を意識的に実行するファンのこと
自分の稼ぎを増やし、より多く推しに還元する
ファンを純増させる
さいごに
推しの役割はあくまでサポート、RPGでいうと僧侶です。前線で戦う戦士がいて初めて輝きます。
読んでくれた皆さんも、推しにとっては戦士です。本記事が皆さんの士気を上げる手助けになっていれば幸いです。
また、本記事を通して「ファンが推しに献身することは美徳だ」といった印象を持ったれた方もいるかもしれませんが、決して「ファンは極限まで身を削って推しに尽くすべきだ」と言いたいわけではありません。
仕事や家庭もバランスよく充実させているファンが多い方が、推しの活動の土台も安定し、推しにとってのメリットが大きいと考えています。
また、「相手のためにどういう価値を提供できるか」という目線で推し活取り組むことが、自分の仕事のスキルを上げることにも繋がると考えています。
「推し活から直接学びを得ること」についても今後触れていこうと考えていますので、是非本マガジンやTwitterをフォローいただき、次回以降の投稿をお待ちください。
また、本記事が気に入っていただけた方は、スキやオススメ、記事の拡散などしていただけますと大変ありがたいです。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
イラスト制作:池田泰葉 様
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