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夫公認のプチ家出


「あ、もうだめかも」


そう思った。


【家出】
ひそかに家庭から抜け出し、帰らないこと。




夫公認の、家出。じゃあ誰からひそかに家庭から抜け出すのか…そう、我が子です。

母になり4年目。10月くらいに最大級の夫婦喧嘩をして、もう離婚しかない…!と思い詰めた日々もあったけど、それがきっかけで24時間「母親」でいようとして苦しくなっていた自分に気付いたし、そこから自分自身を見つめ直して今があります。

喧嘩をきっかけにnoteも始めたし、夫婦の会話も増えたし、きっと夫にとっても良いきっかけになった喧嘩だったと思います。…たぶん。たぶんね?


喧嘩して気付いたことは他にもあって、我が家は基本的に育児のほとんどをわたしが担っているけど「親」の部分を夫に渡したくない自分がいたこと。

夫は多忙で仕事大好き人間のため、育児に対する熱量も比率もわたしと違うことは仕方ないけど、育児の楽しいところばかりを持っていかれている気がして、常に余裕がないわたしはそれがすごく許せないでいた。自分だって、持ちきれないのに。

わたしから見れば、子どもたちの機嫌がいい時に子育てをちょっと手伝って「俺はできる限りやっている」とか、外食時に自分の食事に集中して全く子どもたちを見てないくせに「YouTube見せすぎじゃない?」とか…そういう小さなことが重なってあふれたコップの水は、一体どうすればいいのか。



浴びせますよね、夫に。盛大に。コップごと、ぶん投げました。全力投球です。



最大級の喧嘩のあと、失望したり呆れたり無になったり…いろんな段階を経て、ちゃんと半分「親」を持ってもらおうと思いました。もしかしたら夫の「親」の部分を、わたしが奪っていたのかもしれない、と思ったりもして。

そして自分自身のこともちゃんと大事にしよう。ちゃんとって言葉は時に曖昧だけど、とにかくしんどい時は助けてもらおう。そう決めました。


それからの、今。


意思がガンガン出て永遠にしゃべっている4歳に「マーマ!ママ!ママ!ねぇ見て!マーマ!ママ!!!!」と呼ばれ続け、その間ずっと足元で「マ~マ~~~あっこ!あっこ!うえ〜!!」と泣かれ続ける日々を送っておりまして、常に何かを耐えながら生活をしているため些細なことでも怒りがこみ上げてくるんですね。それはもう、怒りをぶつけて子どもたちを泣かさなければ満足できなくなったぐらいには、自分を追い詰めました。

特に話ができる4歳の娘に対しては当たりも強くなり、泣きながら「ママ大きな声で怒らないでお願いごめんなしゃい~」とか言わせてしまう日が何回かあって「そうだねママ大きい声はだめだったねごめんね」と言った瞬間にまたそれやらかす!?今?!?!なんで?!why?!??みたいな。

イライラしても悲しくてもご飯は作らないといけないし、ご飯は外食にしたってお風呂から寝かしつけまで1人でやって、また何かに耐えて疲れてきて「そういうのいいから…歯磨きしてよ…」「絵本4冊読んだ (1冊を3回も読み直した上で) のに電気消したら桃太郎を話して?!」とだんだんイライラしてくるので些細なことで怒ってしまって、

ああ悪循環…!


物理的に離れる日がほしいと思いました。

そうと決めたらスケジュール確認です。とにかく近い日がいい…夫が珍しく土日どちらもいるタイミングがあったけど、日曜日は習い事がやっているクリスマス会の予定が入っている。うーん…土曜日に泊まって、間に合うように帰ってくるか…いや、どうせなら2日間のフリータイムにしたい。夫に行ってもらおう。ちゃんと夫にも「親」を持ってもらう。そう決めたんだから。

すかさず出張中の夫にライン。

私「〇日、クリスマス会があるけど、パパが子ども2人連れてくことってできる?」

夫「よろこんでー」

夫のいいところは、楽観的なところだ。初めての場所でも物怖じしない。静かにはなるけど。そして再度、電話にて日付けを確認、子どもたちと物理的に離れたい旨を伝え、晴れて夫公認の家出が決定しました。


夫「わかるわかる、俺もそういう時あるもんなー」

そして相変わらず一言多い。は?と思った。あなたは頻繁に1人の時間があるだろう?と。出張での1人時間は省いたとしても、わたしが子どもたちと帰省したタイミングだったり、ママ友と出掛けた日だったり、わたしよりかなり1人時間はあるはずで。

思わず喧嘩を吹っかけそうになったけど、いちいち消耗しても仕方ないのでスルーして、それに夫もわたし抜きで子どもたちと過ごす時間を楽しみにしている様子。それはそれで嬉しくもあり、頼もしくもあり、ほんの少しだけ寂しく思う複雑な自分もいるけど、この際無視することにします。わたしの、わたしによる、わたしのための家出。


日付けが決まったら、次に決めるのはホテルです。

車か電車でいける場所、ただダラダラしたいだけなので安めのところ。でもゲストハウスみたいなところは苦手だから外して、お風呂とトイレは部屋に欲しい。そしたら30分くらい車で走った場所に4,000円台のホテルを見つけました。

「ビジネスホテルは平均7000円前後、土日ならもう少しする」と慣れている夫に聞いたので、きっと安い方だ。こういうサイトの、残り1部屋って本当かなぁ?といつも思うけど笑、他のサイトと比べてもやっぱり安いので、口コミをチェックしてから予約。

10年来の友人と飲みに行こうかと思ったけど、ホテルの場所が微妙すぎたのでやめて、その日は1人で楽しむことにします。翌日の予定が合えばランチにでも行って、予定が合わなければ、1人で楽しもう。


決めた途端、泣く子どもたちが想像できて後ろめたくなったりしてね。本当は、家出ではなくて、あわよくば普通に家を出たいんですけどね。「ママのお友達とお泊りしてくるから、パパと仲良くしていてね」なんて話して、手を振られて気持ちよく出掛けたい。

でもそれはわたしの勝手な希望で、子どもたちはママ以外となんて寝たくないらしい。いつもパパの寝かしつけは阿鼻叫喚のごとく2人とも大号泣。だけど結局は泣き疲れて眠るのだ。パパの寝かしつけ成功。うん…成功でいいか。


「我慢するのも小さいうちだけでしょ!」

ふと、娘が産まれた頃、実母にしつこく言われたことを思い出しました。そうかなぁ…?そう思いながら何年も耐えたところで、産後鬱に産後クライシス、育児ノイローゼ…孫可愛さに出る言葉は、娘に呪いをかけることをわたしは覚えておこうと思います。



家出は勢いが大事。

楽しみと後ろめたさ。自分自身と母の自分。
でもやっぱり、楽しみだな。

夫公認、たったの1泊(笑)



これは前向きな、プチ家出の準備。


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