![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/169893620/rectangle_large_type_2_74ac2adb5c2c8b3033a75acfabd2a806.jpeg?width=1200)
【1/13】名古屋まつり郷土英傑行列コースを毎日歩く 『黒地の絵』(松本清張)
1月13日のウォーキングコース
若宮大通(8:24)~大津通北上~栄交差点~伏見~納屋橋~笹島交差点~名古屋駅ミッドランドスクウェア前(9:03)
今日はお休みで久々に朝からウォーキングしました。今日は成人の日のようですが、成人の日と言えば、実家が美容院だったので、当日は母親(美容師)が朝の4時とか5時から着付けと髪の毛のセットをしてたのを思い出します。地方だと美容院が限られてるので・・予約が埋まったらどんどん前倒しになるんですよね。
先日、『黒地の絵』(松本清張)を読了しました。副題に「傑作短編集(二)」と表記してあるので読む前から期待が広がってました。僕が最も好きな昭和三十年代の作品ばかりです。
![](https://assets.st-note.com/img/1736753927-RjauoLrgnCQDxtPv5cZdhOzq.jpg?width=1200)
・二階
結末としては、「不治の病」で治癒の見込みがない男性が命を絶つわけですが、そこに奇跡的な偶然が重なって・・結局妻も命を絶つという悲しい物語でした。
・拐帯行
読んでると、トレーディングの失敗で英国のベアリングス銀行を破綻に追いやって逃げていた「ニック・リーソン」を思い出しました。彼も奥さんとしばしの逃避行?をしてましたから。
・黒地の絵
とても重くて後味の悪い作品でした。特に前半の凌辱場面は再読する気になれません。とはいえ、歴史の闇に葬られそうな「小倉黒人米兵集団脱走事件」と朝鮮戦争で戦死した兵士の遺体を復元するプロジェクトを作中に描いたのはさすが松本清張といったところでしょう。
ちなみに、作中のプロジェクトに派遣された『人類学者』とはこの人のことでしょう。昔、古本屋さんで購入して読んで今も本棚にあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1735697611-jmhWJIioDFpfceLCVbZ30vXx.jpg?width=1200)
・装飾評伝
歴史の謎を解いていく話ですね。ある事件とそれを解明する歴史学者をイメージしました。
・真贋の森
贋作師を発掘(?)して一山儲けられるかと思いきや、最後の最後で破綻してしまいます。贋作者も人の子、才能があればこそ一生陽の目を見ずに埋もれていくのに耐えられなかったのでしょう。人間の性ですね。
・紙の牙
絵にかいたような恐喝でこれも後味が悪い作品でした。結局悪者が生き残るという「カタルシス」がない結末がその原因です。とはいえ、飲み屋の女性と二人で温泉旅行?なんて、地方の役所でも役職に就くと脇が甘くなってしまうのかなあ。
・空白の意匠
結局スポンサー、広告代理店には逆らえないという現代でも通じる結末でした。時代を先取りしているというか、当時から何も変わってないというか・・。
・草笛
僕の印象では、何か『井上靖』っぽい設定とストーリーでした。僕の読み方が足りないのか、最後まで杉原冴子(この作品のヒロイン)が何を考えているかわかりませんでした。
・確証
病気を奥さんに移すためにわざと病気になる(!)という発想が突飛すぎてかなり引きました(苦笑)。最後の最後で予想された展開を裏切るのはさすがですね。