ネコの耳とクモのつぶやき
春の昼下がり、僕の目の前に大きなクモが下りてきた。
クモは「おっと、いけねぇ」って感じに慌ててまた上の方に昇っていった。
・・まあ、そうだろうね。クモの気持ちはよく分かるよ。
僕たち猫はクモを見つけると追いかけずにはいられないからね。
クモは天井の隅っこに隠れて安心したんだろうか。
小さな声で何かを語りだした。
・・・・・・カチカチ、カチカチ・・・・・・
春の日差しは暖かい。
クモの身上話は続いていく。
ああ・・眠い。
もう目を開けていられない。
まもなく僕は寝落ちするだろう。
これはクモの作戦だな。
きっと。