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猫と新聞

こんにちは。クレイです。・・あっ、猫の方です。
家猫になった僕はこの家の不思議な習慣に付き合わされています。
他にもいろいろあるけど一番変なのが「新聞の音読」。

朝、母さんはガサガサと用事を済まし、新聞という紙の束を持ってソファーにどかっと座る。
そして徐に人間界の出来事を読み上げていくんだ。
で、横に座っている僕にときどき相槌を求める。
まぁ、全然興味はないんだけど時々はアクビついでに「にっ」と言っておく。

母さんは「抑揚をつけて朗読風に読み上げたい」なんて言ってるけど・・僕ね、その単調なリズムに眠くなってくるんだ、内緒だけどね。

空にお日様が上がって暖かくなってきたらもう目を開けていられない。
半分眠りながら僕はその言葉たちが通り過ぎていくのを感じる。
「アイ」「ジンセイ」「ナミダ」「ブッカ」・・・・・

よく分からないけど母さんは新聞の中には色んなものが詰まっていると言う。
広い広い世界がそこはあるんだって。

・・まぁ、僕から言わすとその紙は○ンチを包むためのものなんだけどね。

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