国際列車 タンザン鉄道の旅 その2
いきなり18時間の遅延からはじまった国際列車の旅は、翌日、ほぼ通知されたとおりの時間に出発しました。
私のシートは、ファーストクラスの定員4名の寝台車で、タンザニアがイスラム教徒の国だからなのでしょうか、男女は別々の部屋に振り分けられます。
列車は遅すぎず、速すぎずといった速度で順調にジャングルの中を駆け抜けていきます。
乗り物に乗っている時、私はけっこうボーッと車窓からの景色を眺めているのが好きなのですが、今回の車窓は、
窓が割れていて、上半分、それも窓が下がり切らず三分の一?程しか見えません😭明らかにずっと前に割れて、そのまま修理をする気はないみたいです。さすがアフリカ、と妙に納得してしまいます。
列車が駅を出発してから程なくして、車掌が切符の点検にきました。これは世界のどこでも行われることですが、しばらくするとまた、車掌が訪ねてきました。彼の目的は水とキャンディの配布で、粋なサービスです。
それからまたしばらくすると、再び車掌が現れました。次なる彼の目的は、
トイレットペーパーと石鹸の配給でした。
なんだこんなもの、と日本の皆さんは思われるかもしれませんが、お手洗いに行く時には必須のアイテムです。
このようにひととおり列車内で必要なアイテムが手に入ると、あとはのんびりジャングルを眺めるばかりです。
タンザン鉄道は、お手頃な価格ながら食堂車やバーがあり、完璧なサービスさえ期待しなければ、飲食に困ることはありません。
むしろ、その価格の安さゆえに食べすぎてしまうぐらいです。
鶏肉料理が、とうもろこしの粉をお湯で団子ぐらいの硬さに煮詰めて作る主食のシマが付いて、ZMW50 (¥273)。このシマが地元の人が残すぐらいのボリュームなのですが、主食の鶏肉が少し物足りない気がしたので、もう一皿、ソーセージとフライドポテトの盛り合わせを頼みました。こちらはZMW40 (¥218)。細長いフランクフルトにてんこ盛りの揚げポテトが付いていて、さすがにお腹いっぱいになりました。
夜行列車に乗る時は、車内で食べ物や飲み物を扱っていないか、販売していてもかなり高くて貧弱なものが常なので、スナックなどを買い込んで飢えを凌ぐのですが、今回は、いくら食べても飲んでも懐が痛みません。
おかげでマンゴージュースだのコーラだの、ふだんは飲まないソフトドリンクを暇つぶしに飲みまくってしまいました。
長い一日もやがて日暮れ時となり、寝るには早いが寝台でゆっくり寛ぐことにして個室へ戻ってきたのですが、ここで問題が発生しました。
なんと、明かりがつかないのです。
日が暮れ始めると、暗くなるのはあっという間です。こうなったら予定変更で、少しは日のあるうちに就寝準備を整えなくてはなりません。とは言っても、パジャマに着替えるわけでもなく、ゴロンと寝台に横たわるだけなのですが、問題はトイレです。スマホのライトを点灯させてグラグラ揺れる列車の中で、手すりを頼りにしてボットン便所の上にしゃがんで用を足すのは、なかなかの至難の業です。
急な揺れで足を滑らしやしないかと不安を抱きながら、無事に用を済ませば、あとは寝るばかり。
本でも読んで時間を潰そうかと思っていましたが、列車の振動が激しくてそんな気にもなれず、早々に眠りにつくことにしました。
ところが、夜中に見知らぬ親子が部屋へ入ってくるわ、車両を乱暴に押すような激しい揺れに立て続けに襲われるなど、おちおちゆっくり寝ていられやしない。
それでも浅い眠りを何度か繰り返しているうちに窓の外が明るくなってきました。時計を見るとまだ5:30でしたが、寝直すのをあきらめて寝台を抜け出しました。