サバンナの真ん中でテント崩壊⁉️
タンザニアの北部に広がる広大なサバンナ。
私たちは数日間、そこで寝泊まりして野生動物たちの生態を観てきました。
実は、大して動物好きというわけでもないのですが、ガイドが
「キリンです!」
「あそこに、ライオン!」
「あれは、…チーターだ!」
と叫ぶと、反射的にカメラを構え、必死になって動物たちを探していたのは、
…私です。
そんなこんなで、一日は瞬く間に過ぎ、すっかり疲れて帰ってくる私たちを迎えてくれたのは、温かい食事と……
テント、でした。
このサファリツアーを申し込む時、
「キャンプ大嫌いな私が、なんで大人になって、テント泊やねん!」
と不満タラタラだったのですが、サファリツアーのセールスマンの
「サバンナの真ん中で自然と一体となって過ごすなんて、またとないチャンスですよ!それに、テントとは言っても、中は広いし、ラグジュアリーですから」
という口車にまんまとのせられ、参加を決めたのです。
そして実際にあてがわれたテントは、
…
広かろうが、生地がしっかりしてようが、テントはテントやないか🤣
ラグジュアリーもへったくれもありゃしない。
ガイドが様子を見にきた時に、
「テントは嫌やぁ〜😭」
と訴えましたが、笑って肩を叩かれ
「大丈夫」
と、まともに取り合ってもらえませんでした。そのかわりに
「靴はテントの中へ入れておくように。ハイエナが盗っていくから」
という忠告をいただきました😱
キャンプサイトには、トイレとシャワーの設備もあるのですが、お湯は出ません。ここは気合を入れて、一気に全身を洗い流します。
幸いなことに、テントの中に敷かれたマットレスは心地よく、寝袋も快適で、二晩はぐっすり眠ることができました。
ところが最終日の夜は雨が降り始め、深夜になると土砂降りになったのです。
テントがぐらぐら揺れ、雨が激しく叩きつける音が続き、おちおち寝てられやしない。
縦に横に容赦なく揺れるテントの中で、無意味に歯を食いしばって、夜明けをじっと待って過ごしました。
嵐はやがておさまり、辺りが明るくなる頃には、小雨になっていました。
寝不足ではあるものの、雨露は凌げたことに感謝して、食堂でお茶を飲んでいると、隣のテントで寝ていた夫婦が、疲れた顔をしてやってきました。
話題はもちろん、昨晩の嵐のことです。
「いやぁ、あれは怖かったね。すっかり目が覚めちゃったよ」
と私が言うと、彼らはこう応えました。
「寝られないどころじゃなかったよ。私たちのテントはつぶれたんだから」
「え?つぶれた⁉︎」
彼らのテントは、横風に耐えきれなくなって骨組みのつっかえが外れて収縮してしまったらしいのです。彼らはテントを立て直してもらおうと嵐の中、スタッフを探したのですが、誰も見つけられず、つぶれたテントの中で夜明けまでを耐え忍んだそうです。
天候ばかりは、誰にもどうもしょうがない。おかげさまで、忘れられない、おもろい経験となりました。