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とうとう肩のりカラス④|アニマル・コミュニケーション
ある夏の日に野生のカラス君との友情をはぐくんだ物語です。
カラスが舞い降りてきて遊んだ日々①、カラス君に認識されたら②、カラス君とツーショット③、の続きの記事です。
詩「漆黒の祝福」と「カラスの愛」は、野生のカラスと触れ合った実体験をもとにして書いた詩です。
久々にやってきたカラス君。それは前回から1ヶ月ぶりのことだった。
自然の生き物はきっと、人間の意識が手に取るようにわかるのだと思う。
一か月ぶりにやってきたカラス君のタイミングに驚く。どこかで私の意識の流れを見ていたのか、知っているのか。たしか、前にカラスがやってきたときも、空っぽになった時だった。
今日のカラス君は普通にテコテコ近づいてきた。
私の心はもう落ち着いていたので、普通の優しい声で話しかけた。すると、カラス君の緊張がどんどん解けていき、すぐそばにやってきた。
相変わらずツンツンしたり噛みついたりするけど、
「痛いよ」と伝えると、甘噛みをしてくれて、甘ツンツン。
「うん、それくらいならいいよ。」すぐに伝わる。カラスはインテリジェントなのだ。
食べ物も持っていないのに、興味津々であちこちを甘噛みをはじめた。
そしてとうとう膝に乗り、楽しそうにあたりを見回しはじめた。
すると遠くから、カァとこちらに向かって鋭い声が聞こえた。大人の声のカラスはなにやらカラス君に話しかけているようだった。カラス君はその声に、じっと耳を澄ませて全身全霊で聴いていた。
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おそらく人間と一緒にいる事を何やら話しているのだろうと思われた。そして、しばらくすると静かになり、カラス君はまた遊び始めた。どうやらカラス社会で、私は安全であると判断された瞬間だったのだと思う。
その会話中のカラス君は、私の存在など一切気にしていないようだった。無防備すぎるくらいに。
野生動物との交流において、相手が自分の存在を無視するということは、最大の敬意と信頼であったりする。つまり、この人は全く警戒する必要がないと判断され、素の姿を見せてくれるということだから。宝石のように貴重な体験だ。
私は野生動物とたびたびそういう状況になる。その時、私も知らんふりをして自分の世界に入る。お互いが好き勝手な自分の世界に没頭し、同時に、安心という空間を共有している。
それは本当に童話のような世界だ。事件のない滑らかな愛だけの楽園。時間の流れがゆっくりになり、いや、時間が無くなると言った方がいいかもしれない。
ゆったりとした大きな川の流れの上に乗って、行き先も何もかも気にせず、
ただ命がそこにそのまま存在するという体験。
それは、生き物としての私の中の宝物として魂の中で輝き続ける。
やがて、ガラケーで(iphoneもカメラも持ってなかった)写真を撮ろうとする私のお腹に乗り、ぐいぐい迫ってくる。このガラケーを何とかしようという魂胆であろうと思うが、そのうちに、とうとう肩に乗った!
おお!夢の肩のりカラス!
ちょっと肩に載せたまま、歩いてみた!わははは~い!こやつ、意外と楽しんでる。
そんなこんなで面白いからか、全く私から離れようとしないカラスくん。
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そうして次回は撮影会を決行してみることにした。
(つづく)
(photo: ©MikaRin)
MikaRin Youtube 音楽チャンネル
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