<確報版>6月1日時点の20卒就職活動調査~キャリタス就活2020 学生モニター調査結果(2019年6月)  〜一部抜粋と考察〜

・考察
・内定を得た企業の従業員規模
・就職活動継続学生の動向
・インターンシップ参加企業の本選考への応募と内定
・内定企業への意思決定に必要なフォロー
・志望度が上がった/下がった内定者フォロー

〈考察〉
・今年度の特徴として、早期の段階から1,000人以上の大手企業からの内定率が高い。21年卒からルールが撤廃される、通年採用の浸透によるものと考えられ、来年以降もこの傾向は続くのではないかと考える。

・7割が内定を獲得している一方で、未内定者の7割が内定の目処がたっていない。つまり、就活生約42万人×21%=8.82万人がまだ内定の目処がついていないので、まだまだ20卒の採用のチャンスはあると考えられる。

・志望度が上がった、嬉しかった内定者フォローの大きな共通点として、「学生に寄り添う」「学生のことを第一に考える」「相互理解を深める」
この3点がとても意識されているのではないかと思う。


以下、全ての図は「<確報版>6月1日時点の20卒就職活動調査~キャリタス就活2020 学生モニター調査結果(2019年6月) 」より出典

https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2019/06/201906_gakuseikakuho.pdf


【内定を得た企業の従業員規模】

内定を得た企業の従業員規模について、この4カ月の推移を見てみる。
例年、3月など早い時期は規模の小さい企業からの内定が多かったが、今年は3月調査から一貫して従業員1,000人以上の大手企業の内定が約6割を占めてきた。
企業規模による内定出しの時期に差がなくなってきたことが読み取れる。
6月調査では「5,000人以上」の占める割合がやや増加したが、学生から報告された社名を見ると、経団連加盟企業を中心とした大企業が多く挙がっており、こうした企業が選考解禁直後に内定を出したようだ。


【就職活動継続学生の動向】

内定取得学生のうち就職先を決めていない者(モニター全体の 27.2%)にその理由を 1 つだけ選んでもらった。
圧倒的に多いのが「本命の企業がまだ選考中」で半数を超えている(53.5%)
多くが本命企業の結果次第という状況だ。
また、「複数内定で優劣つけがたい」という回答が年々増加し、2 位に
なった。
志望度の高い複数の企業からの内定を手にする学生がそれだけ増えているということだろう。
一方、未内定の学生(モニター全体の 28.9%)には内定獲得の見通しを尋ねた。「近々内定をもらえる見通しが立っている」は 1 割強(14.0%)にとどまり、最も多いのは「選考中の企業はあるが、内定が出るかわからない」(57.0%)。ここに「選考中の企業はなく、まったく見通しが立っていない」(14.5%)を足し合わせると 71.5%になり、未内定者の 7 割強が先の見えない状況にあるようだ。
「就職以外の道(進学、留年など)を考えている」という回答が 14.2%あり、選考解禁直後にもかかわらず、早くも来春の就職を見送ろうと考えている学生が一定数いることがわかる。

内定保持者も含め、就職活動を継続している学生(モニター全体の 56.1%)の、現在選考中の企業数は平均 3.0 社。
これから受験予定の企業数(2.1 社)をあわせると、いわゆる持ち駒企業は 5.1 社。
今後のエントリー予定社数は内定の有無で差が大きく、「内定あり」の学生は 0.9 社だが、「内定なし」の学生はその約 4 倍の 3.5 社。積極的に持ち駒を増やす必要性を痛感している学生が多いのだろ
う。
今後のエントリー予定社数を 1 社以上と回答した学生に、新たな企業を探す手段(ツール)を尋ねると、「就職情報サイト」が 9 割を超え圧倒的に高い(91.7%)。
企業探しのメインツールとして長く利用されていることがわかる。


【インターンシップ参加企業の本選考への応募と内定】

インターンシップ参加経験のある学生に、参加企業への本選考応募と参加企業からの内定の有無を尋ねた。
「本選考に応募した」との回答は、8 割超(82.5%)で、前年調査(80.3%)を上回った。本選考応募社数の平均は 4.6 社
前年同期(3.7 社)より約 1 社増加した。
本選考応募者のうち実際に内定をもらった経験を持つ学生の割合は 55.4%と半数超。
前年調査より 5.3 ポイント増加しており、インターンシップ参加企業から内定を得る学生が増えていることがわかる。
本選考に応募した理由を尋ねると、「インターンシップを通じて志望度が高まった」が最も多く約 6割(59.7%)。
続く「インターンシップ参加学生の優先ルートがあった」(48.4%)、「早期選考だった」(44.0%)
は、いずれも前年よりポイントが増加。
企業が、インターン参加学生を本選考につなげる動きを強化していることが読み取れる。


【内定企業への意思決定に必要なフォロー】

内定を得た企業に就職するかどうかを決めるために必要だと思うフォローについて尋ねたところ、「フォローは必要ない」との回答は 11.3%にとどまり、就職先決定のために何かしらのフォローを必要としている学生が大半を占めた。
全体的に前年調査よりポイントが増加しており、スピード選考や複数内定獲得により、内定後に改めて企業を知るための機会や情報を必要とする学生が増えていることがうかがえる。
具体的な内容として最も多いのは「食事会などの懇親会」で過半数(55.2%)。
「現場社員との面談」(47.4%)、「社内や施設などの見学会」(44.0%)、「人事担当者との面談」(40.3%)
までが 4 割を超
える。
分散傾向が見られ、学生によって就職決定に必要とするフォローは一様ではないことがわかる。

■志望度が上がった、嬉しかった内定後フォロー
内定をもらった日に、インターンでお世話になった社員の方がお祝い会を開いてくれたこと。 <文系男子>
○交通費や宿泊費負担で懇親会を開催してくれ、志望度が上がった。座談会や飲み会でフランクに話ができた。<理系男子>
納得いくまで質問をしてよいという機会をいただき、自分が目指すキャリアを歩んだ方々や、興味のある分野の方々と話し合いをすることができた。 <理系女子>
○入社した後の昇進についてや、給料、福利厚生の具体的な説明を聞く場を設けてくれたこと。 <文系女子>
他社と悩んで決めていいと言ってくれたため、懐の広さに感動し志望度が上がった。 <文系男子>
内定通知の書類に、面談や選考に携わった方の手書きメッセージが入っていたこと。 <理系男子>
○「上司に、あなたを絶対に引っ張って来いって言われている」と言われた時は嬉しかった。求められている気がした。 <文系男子>
○LINE やメールなどで、気になる事項がないかというフォロー。 <文系女子>
○その企業が開催している顧客向けセミナーへの招待。その企業でどのような取り組みを行っているのかや社員の雰囲気をつかめる機会となった。 <文系男子>
○母から反対されているとお伝えしたら、会社のパンフレットなどを家に送ってくれたこと。 <文系女子>

■志望度が下がった内定後フォロー
○6 月 1 日に内定者イベントあり、休日にもかかわらず、朝の 10 時から 20 時まで拘束された。 <理系男子>
○毎月最低 1 回ほど懇親会のようなものが開催され、その都度メールや電話で連絡が来て、半ば強制で参加させ
られた。その企業からの内々定は辞退した。 <文系男子>
○しつこく電話が来たり、何回も会社に呼び出されて交通費も出ない企業は、志望度が下がっていった。
<理系女子>
○人事の方との面談だけで、現場の社員さんとお話をする機会をもらえなかったこと。 <文系女子>
○選考が貸会議室でしか行われなかったので、会社訪問がしたいと伝えたが、叶わなかった。 <文系女子>
○内定辞退させないために、選考状況・就活を続けているかを電話で何度も聞いてきたこと。 <理系男子>
○内々定の承諾期限を、当初通知されていた日程より 1 カ月早められた。 <文系女子>
○文系学部生に対して、内定後に教授推薦書の提出を求めてくる企業があった。明確なオワハラ。<文系男子>
○まったく連絡がないので、必要とされていないのではないかと思ってしまう。 <文系男子>

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