心と身体にニュートラルを
”ニュートラル”思考
”ニュートラル”な身体
英語ではNeutralと書きますが、中立の状態、口語的には真ん中という意味になります。車等のギアにも"N"というニュートラルがあります。とある辞書に”動きが伝達されない状態”とありました。
♣ニュートラルでいると、何か良いことがあるのでしょうか?♣
姿勢で考えると、ニュートラルな骨盤や肩甲骨は正常な位置にあると言えます。そして、ニュートラルから、どの方向に、どの角度で、どのくらい向かうかで、動きが決まります。よって、ニュートラルがズレていると、動きが過大または過小になります。思うような結果が出ない時は、自分のニュートラルを少し疑ってみる方法もあると思います。
思考も同じなのだろうと考えます。しかし、身体よりも複雑です。なぜなら、環境や価値観に影響されるからです。
突然ですが、好きな映画の話をします。
昔好きだった映画を見直してみると、以前に抱いた感情と違うものが湧いてきます。
ロビン・ウィリアムズ主演の学園ドラマです。
《ネタバレ注意》
アメリカのとある全寮制進学校に赴任してきたキーティング先生(ロビン・ウィリアムズ)と生徒達で繰り広げられる青春ストーリーです。ホイットマン他、有名な詩人の残した美しい詩を自分の人生と重ね、将来の、今の自分の生き方を考える若者達が登場します。生徒達は当初、キーティング先生の風変わりな授業に衝撃を受けます。しかし徐々に刺激され、自分で考えて行動するようになります。そして大事件が勃発。キーティング先生と生徒達の運命はいかに…
当時高校生だった自分には、衝撃的な結末でした。主人公の青年が悲しい死を遂げます。しかし、両親と学校側は、その責任をキーティング先生だとし、退職に追い込みます。
青年の死の理由は、(おそらく)将来に絶望したからです。その親友たちも、青年の死をきっかけに苦しい選択に迫られれます。誰もが、「仕様がない、仕方なかった」と思った決断でしたが、やはり理性だけでは解決しない気持ちがありました。その思いが、最後に素晴らしい感動を与えます。
Thank you, boys. Thank you.
という訳でネタバレありますが、最後は涙なしでは見られない結末です。
当時の私は、青年の死の要因を両親の責任と考えました。30年経った現在の感想はというと、そうは思っていません。青年がもっと両親と話していたら、キーティング先生ともお話し出来ていたらと、今は考えます。もっと周りの人間に頼って、将来を考えてみたら、違う選択があったように思います。
心というものは複雑で、すぐに揺れます。
私たちの身体は、揺れながらバランスを取り、揺れながらニュートラルを確かめています。
心のニュートラルは、そう簡単には獲得できないかもしれません。だからこそ、たくさん勉強し、本を読み、社会を知り、人と話をし、少しずつ成熟させていくのだと思います。
♥ニュートラルでいると、良いことがある♥
ニュートラルに身や心を置く意識を持つと、異変に気付きやすくなります。良い気づきなのか、悪いサインなのか。異変に気づいたら、どうしてそうなったのかを考え、自分の力で意味を見出し、行動へ移す。
ピラティス・ヨガの指導をしていると、正しいポジションからの動きの発生が大切だと感じます。いつもの”安心”な状態から、本来の”安定”する位置に変えて見ると、世界が変わって見えます。だからこそ、心も素直にニュートラルでいることが、外界の様々な変化を許容する上で大切だと思います。
風の時代、個人の時代に突入したそうですが、自分だけでなく周りとの対話も忘れずに、変化に順応する心と身体作りが必要だと、私は思います。
2021年、短いようで長いようで短い一年でした。
2022年も刺激的な年になると思いますが、心と身体にニュートラルを保ち、精進して参ります。
皆様、良いお年をお迎えください。
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