ソーシャルスタイル診断で真逆だった私たちが、親友になるまで
SHElikesでビジネス中級講座を受けていたときのこと。
その日はコミュニケーションについて学ぶ講座。
人の好みの傾向は4つに分けられて、それぞれのスタイルに合わせた対応することで、気持ちよくコミュニケーションを取ることができる、とのことだった。
講座の中ではソーシャルスタイル診断が組まれていて、自分がどのソーシャルスタイルに当てはまるか確認することができた。
4つのソーシャルスタイルの主な特徴は以下の通り。
私は、SHElikes入会の2月時点ではドライビングだった。
最近はドライビングに限りなく近いエクスプレッジブという診断がよく出る。
きっと、自分が会社員かそうでないかでどちらのスタイルが多く出るかが変わってくるのだと思っている。
ところで、ドライビングの反対はエミアブル。
エミアブルの特徴をみて私は、真っ先に思い当たる人がいた。
前職で入社前からお世話になった、1つ上の先輩である。
その先輩は、私が入社する前から3年間同じ事業部で面倒を見ていただいた。
私が退職した今でも月1で飲みに行ったり、個人的な相談をするほど仲のいい「親友」。
そんな私たちだが、当初はとても仲が悪かった。
とにかく性格が正反対。
当時はソーシャルスタイル診断を知らなかったが、これをみて改めて思った。
そりゃ、合わないはずだわ。
当時にこれを習っていればもっと早く寄り添えたのかな…と思いつつ、お互い苦戦しながらもどうやって親友になったのか、振り返ってみる。
とにかく、言われたことぜんぶ、納得できない
内定先が決まり、入社前に配属先の飲食店で働く「内定者バイト」で、その先輩が初めての上司となった。
飲食店初心者の私に先輩は、初歩的な動きから、売りたいものを売るためにお客様に言う文言などを教えてくれる。
ここで、ドライビングとエミアブルは早速ぶつかる。
何を言われても全く共感ができなかった。
入店した後にお客様に売りたい料理を紹介するのだが、「美味しいから食べてもらいたいじゃん?!」と言う先輩に「お客様が食べたいもの頼めばいいじゃん」の後輩(さすがに直接そんなことは言ってない)。
「こうしたらダメだから、こうしてね」と言う先輩に、「え、なんで?てか、先に言ってよ」の後輩(さすがに直接そんなことは言ってない)。
共感と調和を大事にする先輩と、口癖は「それってなんでですか?」の後輩。
地獄みたいな組み合わせだったと思う。
それでも「仲良くなろう」と一緒に飲みに行ったが、ここでもドライビングとエミアブルはぶつかる。
先輩は終始私のドリンク残量を気にして、「次何飲む?」とメニューを渡す。
サラダは必ず自分から取り分け、空いた皿は必ず端にまとめる。
後輩が先輩に気使わないわけにはいかないので、それを上回る気づかいをしなければならない。
メニューを渡されて「すみません」。サラダを取り分けてもらって「すみません」。
とにかく一緒にいるのが疲れる。バイトも極力入りたくない。
そんな状況が入社前まで続いた。
理解して、認め合う
入社してから5日間、本社での座学の研修があった。
そこでは実際店舗で売っている食材へのこだわりや、売らなければいけない理由などを教わるのだが、ここでやっと私は気づく。
ああ、だから先輩は売りたい料理をおすすめしていこうって言ってたのか。
先輩が言っていた理由が研修で肉付けされて、私はやっと腑に落ちた。
配属先は内定者バイトしていた店とは違ったが、再び店舗で働いたときには、先輩に習った通りのおすすめができた。そして、よく売れた。
後日その気づきを先輩に伝えたら、「私も売らなきゃいけない理由までちゃんと教えたかったんだけど、ごめんね」と言ってからこんなことを加えてくれた。
「エビアンとは性格が正反対だからこそ、違った視点を学べていい刺激になっているよ!これからよろしくね!」
違いを理解して、認めて、一緒に進む。
私も一緒に頑張りたい、と心から思えた。
全力で甘える
最初こそ飲みの場で先輩に気を使っていた私だが、しばらくして気を使うことを辞めた。
「先輩は気を使ってしまう性格である」と理解した上で、それに全力で甘えようと思ったからだ。
サラダを取り分けてもらっても、メニューを手渡してもらっても、今では「ありがとうございます」と遠慮なく受け取ることにしている。
後から聞いた話、先輩は「相手に気を使われるとこっちも余計気を使ってしまって疲れる」と言っていたので、この作戦はきっと正しい。
今でも私はよく、悩んだら先輩に相談することにしている。
エミアブルの特徴をありがたく享受しているのだ。
私も先輩が困ったときは、ドライビングの特徴を生かして少しでも助けになりたい。