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折衷案を探る

個人様宅、
ご家族で住まう空間のインテリアをご提案する時。
ご主人様と奥様のインテリアのお好みがピッタリ合うご家庭は稀です。
インテリアのテイストのお好みは合っていたとしても、実用性とデザイン性でご夫妻のご意見がちょっと割れたりするコトもしばしば。
だからこそ
「揉めるのが分かっているから、打ち合わせは妻に任せます。
敢えて口出ししません」
と、一歩引いてくださるご主人様も居られます。
奥様とご家族の幸せを想ってこそのご主人様の優しさを嬉しくも感じますが。
この先、何十年と住まう家、
ご家族みんなの拠点、
一歩引いた優しさが遠からず日々のストレスになるのではないかなと感じます。

心がけていることは
「折衷案を探ること」
そのためには
ご主人様と奥様と三者でよーく話し
ご家族みんなの生活スタイルやタイムスケジュールを知り
みんなが納得する優先順位を考えていく。
そうすると、自ずと答えが見つかります。
時間はかかりますが、長く住まう家だからこそ、時間を重ねることも大事なことだと思うのです。

折衷案といえど、
五分五分でないといけないとは思っていません。
どちらかの想いが割合的には多くてもいいのです。
1割でも2割でも
自分の意見が入っていると
大事にもできるし
納得もできるのです。


こちらのお宅
トータルで空間のコーディネートをご依頼を頂きました。
最後までみんなで悩んだソファ
*デザイン
*布張りにするか革張りにするか
ご主人様と息子くん
奥様と娘ちゃん
男チームと女チームで意見が分かれました。

ソファ職人さんの工房で何度も座ったり
ご自宅のリビングに、
ソファの大きさに切った新聞紙を並べて布や革の見本を置いてみたり
みんなで眺めて眺めて眺めて
この空間に来るべきソファが決まりました。

みんなでじっくり考えたソファ。
今では暮らしの真ん中になくてはならないモノになっていると聞き
嬉しい限りです。

このチェストは
奥様が一目惚れして下さったアイテム。
8杯ある引き出しのうち
4杯は家族の共有の引き出し。
あとの4杯はご家族4人それぞれの引き出し。
みんながお片づけ上手になったと
ご主人様も大満足。
これもいい折衷案のアイテムとなりました。

折衷案を探ることは
ご家族の住み心地の良さに繋がり
笑顔が増えて
みんなが幸せになる。
1人の場所じゃない
みんなの場所だからこそ
大切にしていきたいコトなのです。

インテリアのご提案だけではない。
私の私生活に置き換えても、
夫婦の会話だったり
家族の決め事だったり
友人たちとの会話だったり
いろんなシーンでも折衷案を大切にすると、また違った景色が見えるのかなと思うのです。


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