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ジェットセッターではないけれど、PCR検査についての覚書。

2021年1月初め、ニューヨーク州でコロナ変異種が発覚された。
数日後に日本行きを計画していた私は、大いに動揺した。
米国出発72時間以内にPCR検査を受けて陰性証明を提出しなければ、日本に入国ができないことが通達されたからだ。

世界中がコロナ禍に襲われた2020年にも、日米を5往復していた。
日本到着後に空港でPCR検査を受けるスタイルには慣れていたけれど、米国出発の72時間前というのが、実に微妙であった。

参加しているSNSページにはたくさんの情報が溢れて、皆が混乱していた。
外務省や厚生労働省のホームページの情報も、実に曖昧な表現の記載があるだけだった。

厚労省が指定する所定フォームというのがちんけなもので(失礼)いかにも低予算で急ぎ作った書式であることが、また人々を混乱させていた。

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先述したけれど、私の身内にコロナ陽性者が出た。
彼女のツイッター発言や、陽性者の過ごし方に留意しながら、まず日本と米国の環境の違いを憂い、今ここで羅漢しないことを最優先に考えた。

ニューヨーク政府が提供しているPCR無料検査会場には、毎朝早くから行列ができている。
氷点下の早朝5時に起きて風邪を引く、もしくは行列の中でコロナに感染するリスクを思うと、足取りが重くなる。

入念に連絡を取りながら、民間の機関で有料検査を受けることにした。
予定搭乗時刻の72時間前を過ぎたタイミングで予約を取り、綿棒をぐいっと鼻の穴に突っ込まれた。

昨年初めて成田空港で受けた「鼻ぬぐい法」は、検査技師の腕の未熟ゆえんか、涙が出るほど痛かったけれど、不器用なはずのアメリカ人技師による検査はずっとスムーズだった。

その夜にはメールで「陰性証明」が送付されてきて、帰国の準備は整ったはずだった。
が、しかしそこで私を悩ませたのが、SNSで流れてくる根拠のない不確定な情報だった。
厚労省の所定フォームに代わる英文フォームへの記載事項が不十分でないかという不安がずっと消えなかった。

翌々日の帰国予定日、航空会社のチェックインカウンターへ。
「陰性証明」以外にも必要な書類をいくつか確認されて、飛行機に搭乗。
機内は相変わらずガラガラで、乗務員のサービスも食事の提供ぐらいで、最小限しか業務も行われていない様子だった。

成田空港に到着後、ある程度の人数をまとめて、順番に降機を案内される。
まずは検疫コーナーに連れて行かれるのだが、ここは何度通ってもセキュリティーが甘いなと感じる。
実際に、私の後からついてきていたはずの中国人が途中で列を抜けていなくなったり、動線の途中でルートを離れて逆行している人を見かけて、密かにゾッとしたりした。

昨秋の帰国時にすでにそうなっていたけれど、成田空港では唾液採取によるPCRの簡易検査が行われていた。
検査30分前以降の飲食を禁じられていたため、喉はカラカラで唾液を出すのも大変。
梅干しとレモンの写真が貼られていたけれど、なんの効果もない。笑

その後、小一時間待たされた後に「陰性証明」をもらって、ようやく入国審査、そして荷物を受け取り税関を抜けた。
ちなみに私の前に並んでいた男性は、入国時の書類に不備があり、そのまま政府指定のホテルに強制送還されていた。合掌。

到着ロビー。
私は友人に迎えに来てもらったけれど、ここでも抜け穴がたくさんあった。
昨夏まではお迎えの人とのミートまでスタッフが見ていたけれど、昨秋あたりから税関後の経路には誰もいなくなった。
小さなピギーバッグ一つで、普通に公共交通機関の方に進んでいく人がチラホラと目に入るのだ。

日本の水際対策、どこまで徹底されているのか、一度政府に聞いてみたい。
いや、政府は水際対策に着目するばかりで、国内都市での対策が緩すぎるのではないかと感じてしまう。

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日本到着の翌日から14日間、公共交通機関を使わない自主検疫期間を過ごした。
厚労省から自動音声の電話が毎日かかってくる以外、大きな拘束はないけれど、人に会うことも憚れた。
ただ、時差を憂慮せずにZOOM会議に参加できるだけでも、そこにいた価値はあったのかもしれない。

その後の一週間で仕事を済ませ、同時にニューヨーク戻りの準備が始まった。
米国政府のレギュレーションも厳しくなり、帰米時にも72時間前のPCR検査が義務付けられていたので、また検査機関探しをしなければならなかった。

医師の友人が原価で検査してくれるというが、彼女のクリニックから検体をラボに出すタイムラグを考えると、帰国便に間に合うように陰性証明が発行できるか微妙ということだった。

結局、某航空会社も紹介していた民間のクリニックに予約。
滞在場所に検査キットが送られてきて、72時間前にオンライン診察を受ける。
PCカメラの前で、唾液を出す時の微妙な空気感が嫌だったけれど、無事終了。
そのまま速達でキットを送り返すと、翌朝には陰性証明がメールで送付されてきた。

「英文での陰性証明」これがまた曲者で、例のちんけなフォームに医師のサインがあるだけで5000円も取られる。
でもこれで帰米がスムーズになるのなら、背に腹はかえられない。

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ニューヨークに戻った際には、航空会社のチェックインカウンターと、米国到着後の入国審査前の2度、「陰性証明」の提示を求められた。

かくして、「コロナ禍における日米往来」は無事終焉を迎えた。
米国入国後4日目にPCR検査で陰性証明を取れればその後の自主検疫が免除されるのだけれど、特に急ぎの外出予定もない私は10日間の自主検疫を選択した。

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NOTEは自分への覚書でもあるけれど、日米往来の情報が必要な方に届けばと願っています。
御質問もお受けしておりますよー。

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