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母親の介護をする女性へ

2050年問題が表面化しています。
その中でも介護と医療の問題はかなり深刻で、私も現場にいながら、自宅で介護を受けられない、行く場所もなくどんどん体が弱り、病院と施設を行き来している方をたくさん見てきました。

今や女性の平均寿命は87.14歳 
総務省のデータを見ると介護者数は396.9万人と男性介護者より女性の方が多いという状況です。男女とも50代の介護者が増加しているので、親の介護は他人ごとではないですね。

私が更年期を探究し始めたのは、親の介護で仕事を辞めた、悩みを話せる友人がいない、したいことをあきらめている、孤独の中で行う介護を自己犠牲と感じている女性が多いことに気づいたのがきっかけでした。

周りの同年代の女性は、子育ても終わり自由になっているのに、やりたい仕事や趣味も出来ない、その思いが、無意識に自己否定、親への憎しみに変わり、病気にまで発展していくことを考えると、2050年問題の根深さがさらに拍車をかけます。

人生100年時代と言われる今、更年期世代にはまだ50年の人生があります。
介護で疲弊、共倒れ…

そうならないように母親世代が私たち娘を育ててきた背景を知り、介護をする気持ちに変化を起こしてほしいと思います。大変だった、頑張ってきた親世代の現実を理解し、感謝の気持ちで介護に携わり、見送ってほしい!
そう思うのです。

介護の本質はつながりだと思います。
距離ではなく心と心のつながり 

介護に携わるというのは全力を注ぐということではありません。心と心をつなぐだけでいいんです。自宅で介護サービスを十分に取り入れる、施設に入所する、いずれも、親への感謝の気持ちがもてるような、心の余裕があれば大丈夫です。

母世代のこころ

戦後の高度経済成長期は、夫の昇進、子どもが良い大学に行く、高学歴であること、車を持っているということが良いことでした。
欲求を満たすために見栄を張ったり、その思想がプレッシャーで苦しかった母親も多かったと思います。

白馬に乗った王子様はいつになったら私を幸せにしてくれるのか?

しかし、現実は夢見た世界とは全く違って、仕事を優先する夫に孤独を感じたり、絶望したり、子どもの教育と進学にお金と自由を奪われ、夫に絶望を感じ「私の白馬の王子さまは一体どこ〜」と夢と現実のギャップが、夫に対する怒りと、子どもに対する期待に変わる人も多かったのではないでしょうか。

私の王子様〜〜

子どもへの執着

子どもに期待すると、どんどん子どもの教育にエネルギーを注ぐようになります。
このような母を毎日見てきて、娘はどう感じるでしょう。

私も例外ではなく、母は学歴のない自分をいつも恥じていました。
私は小学校の頃から、行きたくもない塾にいくつも通い、何のために勉強しているのかわからなかったんです。

もちろんついていけなかったんですが、母が塾代を稼ぐためにパートまでし出したので母のために塾に通ったといっても過言ではないと思います。

勉強が苦手で、母の期待に応えられない娘は、存在価値を見失い、殻に閉じこもるようになりますが、母の期待はどんどん大きくなり、結婚すると、孫の教育にまで口を挟むようになります。
このようなことが、その先の親子関係の断絶、その先の孤独、病気、介護の問題にまで発展してしまいます。

疲れがたまる前に対策を!

私は介護されている高齢者と娘の関係でよく目にする光景があります。介護されている母は完璧にケアが行き届いて、肌はピカピカ、服は整えられ、高齢者特有のにおいもしない完璧な老人。

しかし、介護をする女性は髪を振り乱し化粧もせずに肌はボロボロ、懸命に母の話の聞き役となり休日も介護に専念し、エネルギーを注ぎ込む、気づくとしわだらけで、老人のようにようになっている…そんな光景です。

完璧に介護はしているけれど、このままだといつまでも、いつになっても母に養分を吸い取られるようになってしまいます。大げさに感じるかもしれませんが、母の期待が大きいほど、娘は期待に添えない自分に失望し、完璧であろうと、もがき続けます。

母への感謝

このようなバランスの取れない介護は、母親が亡くなった後、どうしてよいかわからず、孤独な人生を送ってしまいます。
自分の根幹が介護だったので、そこがなくなると存在価値が消えるからです。
そうならないようにするには、毎日、母に感謝を伝えることです。

母がいたから今の私は勉学を学べたし、生活にも困らなかった、とても幸せだと母の存在価値を認めることです。
そうすると、母親と娘の抑圧は消えて、お互いが楽になると思います。

心に余裕ができると、体は離れていても心は繋がるという、介護の本質を味わえると思います。
介護を頑張っている女性の方にもそれぞれの人生があります。
心がつなかっている安心感さえあれば距離など関係ないんです!

介護しているのには意味があります。
それは、魂の成長を通して地球が進化するための役割を担っているからです。
何のために母親の介護をしているのでしょう。
そこに気づくと、また一つ成長の階段を上がることができます。

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