【音楽大学】”プロ”ってなーんだ?
こんばんは。
忙しい人のために先に私なりの結果を書いておきます。
”自称”です。
「私はプロなんだ!」と思えばその方はプロですし、
「私は素人なんだ!」と思えばその方は素人です。
これが一番覆らない”プロ”です。
そこに至るまでの経緯や考察を今から書きます。
めちゃくちゃ長いです。
まず、私はクラリネット吹きです。
12歳から楽器を始めて中高と吹奏楽部、大学は私立の音楽大学に2年間。
そのまま中退し、フランスのルーアン地方音楽院に3年留学し、
クラリネット室内楽吹奏楽オケのディプロム(卒業資格)を得る。
で、国立パリ音楽院を受験するが落ち、国立リヨン音楽院を受験するが落ちる。
一応言わせてくれ。パリ音楽院は1次は通ったぞ。まぁソルフェとか筆記試験なんだけど。2次の実技試験は倍率60倍だったぞ。舐めてたぞ。
リヨン音楽院は実技だけだったけど学校の位置が分からなくて道に迷って
試験開始時刻の5分前に到着したぞ。土砂降りで傘も持ってなかったぞ。
おかげで試験は緊張しなかったぞ。んで落ちたと。
で、日本に帰ってきて一般的な仕事をウロウロ。
今はたまに楽器を吹きつつ、日頃は工場に勤めている38歳。
プロになるために「あ、あのときこうしてれば良かったな」って思うことがたくさんあるので、
音大に入りたい人や、現役音大生の人、あと20代くらいの人向けに書きます。
もちろん経験談から話しますが偏見も入ってます。
まず演奏家の”プロ”の定義。
厳しいですが一旦”生活できるくらいの報酬”とします。
世帯持ちで家族を支える額なのか、実家暮らしで独身なのか、
その辺は曖昧です。
しかし、生活費を稼いでいるプロも存在はしていますので
分かっている限りを紹介します。
(公安職音楽隊は省略します)
分かりやすく、
①”団体に属している場合”と
②”個人で活動している場合”に分けます。
①”団体に属している場合”
一番分かりやすい例は、
「NHK交響楽団のメンバーである。」
これは、”プロ”でしょう。紛れもなく”プロ”です。
残念ながらNHK交響楽団に友達がいないので年収は分かりませんが、
生活できるだけはあるでしょう。(受信料問題やらで母体次第ですが。)
で、全国各地にそんなプロオケ団体があります。
(ちょい下にリンク貼ってます)
とある楽団は年収400万くらいと聞いたことがあります。
ここまではオーケストラのお話。
で、吹奏楽団ですが…
私の知っている限りのプロ楽団で”1回公演”で4万〜。
月に平均3回公演があるとして月収12万。
福利厚生・ボーナスがあるのかは知らないですが、
額面年収144万。
これにレッスン代やらが上乗せされたり税金引かれたり。
クラファンとかグッズとかの売り上げって活動資金に当てられることが多いので割愛。
これくらいで”プロ”です。
(とある楽団は”1回公演”で7万でした。でも今はどうだろう。減っていると思う。)
ちょうど良いサイトがありました。
報酬はピンキリですがプロ一覧表。
団体でプロ奏者として活動をしたいのであれば、
極端ですが世界中のオーケストラ・吹奏楽団を目指しましょう。
冗談抜きにして、それくらいの意気込みじゃないと無理です。
まず、昔と違ってまず待遇の良い団体は
なかなか奏者が辞めません。
なのでオーディションが行われないので、どうしようもありません。
定年退職等でポコっと空いた1枠に世界から人が集まってきます。
なので、海外も視野に入れておいた方が良いです。
(フランスの吹奏楽団ギャルドが今の日本円で月給40万くらい。)
②”個人で活動している場合”
冒頭で”自称”と書きましたが、
先ほど紹介したような場所に所属している場合は、
「私はプロです」と言っても違和感はありませんが…
まず極端に”プロ”とすると、
ソリスト業。
難関コンクールで華々しい結果を出して各所でリサイタルをする。
プロオケに招待され協奏曲を吹く。CDを出す。
メーカーや楽器店がスポンサーになる。
ここまで来れば仕事はたくさん来ます。
ここから下は”フリーランス”と呼ばれる辺りの紹介。
個人で演奏活動して”生活費を稼ぐ”プロ。
まず、一番最近では
Youtubeや配信サイト(ポコチャとか)、SNSを通して”投げ銭・スパチャ”、
”広告費”として報酬を貰う方法。
もはや、演奏活動というよりアイドル活動にも見えますが、
”人気商売”というのは個人演奏家にはとても重要です。
人に知ってもらうことでレッスンに繋がったり、演奏会に呼ばれたりすることはあります。
たくさんの人に認知されると演奏会をやる際にチケットも売れますし、プロの演奏家としては成り立つのかなと思います。
一昔前の私みたいな人間は「プロなわけないないないない」と言いたい気持ちはありますが、そもそも現在の日本での”クラシック音楽”の需要が…
お金はどうしても”需要と供給”で成り立つので…
〜余談〜
友人がピアノの先生をしていまして、
”○○音楽教室”みたいなのをやっているんです。
「ほえー偉いじゃん!」って話をしていたのですが、
友人曰く、
「ピアノ教室って大量にあるせいで値段が破格になってて。」
とのこと。
「45分500円で子供にレッスンを受けさせたい」って言われたみたいで、
「ここ託児所じゃないんだけど」とか。
〜終わり〜
で、ここからが”自称”の話になってしまうのですが、
”レッスン業”と”演奏依頼”と”エキストラ業”です。
(ここからは歩合制です。儲かるかどうかは営業力と運次第。
生徒さんの人数が多ければ多いほど報酬は上がり、演奏の依頼が多ければ多いほど報酬があります。)
例えば、
楽器店や専門大学にクラリネット講師として仕事に就くとなると、
「私はアマチュアなので」とは言えません。
楽器店側は「プロの先生です!」と紹介します。
なので「私はプロです!」と言っておかないと仕事になりません。
”演奏依頼”も同じです。
お店から報酬が支払われているにも関わらず、
「私はアマチュアなので」とか言えません。
お客さんもお金を払っている以上、
「私はプロです!」という責任があります。
”エキストラ業”も同じ。
プロ楽団の場合は先ほどと同じだけど、
一般バンドでもギャラ発生することがある。
そのときは「私プロなんですけど」みたいな顔するとなんか空気が…
はい。
私も前述した通り工場勤務の中年なわけですが、
留学やレッスンやマスタークラスや色んなプロの先生に”プロになるための指導”を受けたので、「私はアマチュアです!」というのも失礼かもな、って意味で、
「私はプロです。」としています。
(アマチュアでは上手い方。プロでは下手な方。)
はい?なかなか厳しい?
情熱だけで生きている音楽家なんて、
こんなのへっちゃらですよね。
ここまで読んでくれた人には!
私の偏見だらけの、
プロになりたいなら若いうちにこれはしておこうのコーナー!
(眠くてテンションが上がる上がる)
ひとーつ!
”良い音を聴く”
音大を目指していたりプロを目指しているなら、良い音を聴きましょう。
今はYoutubeがあってとてもとても便利なので、演奏している楽器で検索検索!
例えば私はクラリネットなので、
"clarinet concerto"や"clarinet solo orchestra"、"clarinet piano"など!
そんな吹き方あるんだ!って驚きたい場合は、
"clarinet folk"で検索すると民族音楽が聴けるぞ!
間違ってもカタカナで入れちゃダメだぞ!
”吹いてみた系”は嫌いじゃないけどあんまり役に立たないぞ!
プロになってからいくらでもやれるからあとでもいいぞ!!
ひとーつ!
”好きな演奏を見つけてマネをする”
YoutubeでもCDでもお気に入りの曲を見つけたらたくさん聴こう!
そしてワンフレーズだけでも覚えたら耳コピで吹くのだ!
もっと気に入ったら楽譜を買うのだ!
そして大好きな曲を吹けば良いのだ!!!
これが全く出来ない音大生は山ほどいるぞ!!!!
私は音大に入ってビックリしたぞ!!!
そんな記事もアップしているから良かったら読んでね!
ひとーつ!
”学校・先生を選ぼう!”
すでに習いたい、習っている先生が決まっている場合はそのままで!
学校も先生も決まっていない人!
私立は入るのが比較的簡単だけど自身の熱量が全てになるぞ!!
国公立は入るのが大変だけど周りの熱量に助けられるぞ!!
授業料のことは触れない。
ひとーつ!
”上手な人の近くにいよう!”
良い音も聴いて良い演奏も分かっているはずなので、
その耳を信じて「上手だなぁ」って思う人の近くにいましょう!
私は大学時代唯一一人だけ「めちゃくちゃ上手やんけ!!」って思う人が
いたおかげで助かったぞ!!練習するモチベーションになった!
ん?上手だと思う人がいないって?
そういう時はYoutubeかCDの世界に戻るんだ!
ひとーつ!
”講習会、マスタークラス、公開レッスンに参加しよう!”
最初二つは似たような意味だけども、とりあえず若いうちは参加しよう!
モチベーションにも繋がるし、新しい上手な仲間も出来る!
私は18歳の時に受けた講習会のおかげで仲間の幅がぐーーんと伸びたぞ!
その中で今海外で活躍している友達もいたりで現在でも彼らのおかげでモチベーション維持してたりするぞ!
ひとーつ!
”コンクール・オーディションを受けよう!”
高校生時代は当たり前のようにソロコンクールに参加してたんだけど、
音大に入ってから「まぁ20代でえっか」みたいになって大損したぞ!!
コンクールの課題曲は練習する価値が大いにあるし、
とにかく受けることが大事だぞ!
自由曲15分とか、曲目考えるのも若いうちに経験していた方が良いぞ!
常にコンクールとオーディションのアンテナを貼って受けまくったらいいぞ!
私は全くこれをしなかった!!!残念!!
私の経験上、コンクール受けまくっている人は大体プロ奏者になってるぞ!!
ひとーつ!
”知識量じゃなくて経験量が大事!”
とりあえずやってみる精神が大事!知識つけてやるより経験してから知識つけた方が進歩が早いぞ!前述した”良い音”に関しても、奏者の名前を片っ端から覚える必要はないぞ!!人や団体や曲の名前ばっかり覚えても何にもならないぞ!
”良い音”と感じるものを聴いて”良い音”を出していれば自然と興味が湧いて知っていくぞ!
ひとーつ!
”社会的常識を楽しむ!”
学ぶことやらないといけないことが多い中、一番大変なのがこれ!
世の中にはどんな人がいるのか知るチャンスでもある!
だけど関わらない方が良いこともある!
とんでもない発言して邪魔してくる人もいる!
あぁこんな人いるんだ!って楽しむこと!
自分を困らせる人の土俵には乗らないこと!
そんなことより練習!良い音と練習!!!
〜あとがき〜
プロを極端に表すと大体こんな感じです。
芸術、音楽への情熱は一生物なので、
「プロだから!」とか「プロじゃないから!」とかは、
あんまり関係ありません。
演奏するということは素晴らしいことです。
自身を表現するということもとても素晴らしいことだと思います。
ただプロは、”安定した上手な演奏”を維持するために努力し続けるものです。
「私の上手なクラリネットの演奏を認めて!」となればプロの責任を持っているんだな、と思えますが、
「私が吹いているクラリネットの演奏を認めて!」みたいな、よー分からん
承認欲求ではプロ意識とは言えません。
「私の演奏は上手である」の根拠のレベルを上げ続けていかないと自信もつきません。長年、黒い筒に息を入れ続けているだけで上手くなるなら苦労しません。
人に聴かせる、魅せる。それで感動を与えるのが演者です。
「演奏している私に感動して!」だけではただのヒューマンドラマです。
そんなもん上手くなけりゃ物語にもなりません。
生活費になるほどの”仕事”になるにはある程度の賢さも必要です。
いやいや楽しみたいだけなので、って方は楽しむだけで良い世界です。
それを根拠のない上手ではない自信のないヘンテコが無駄に歳を重ねて、
若者の伸び代のある未来をぶっ壊す”自称師匠”がうじゃうじゃいます。
なので、上手けりゃいいんです。分からないなら耳を育てれば良い。
何か偉そうなことを言われるな?って思ったら、その人の経歴を調べてください。
それで判断すると誰が自分に必要なことを言っているのか分かります。
大体書けたはず。
めちゃくちゃ眠たい。
誤字脱字とか訂正あるかも知れないけど、
一旦これで終えるとします。
読んでくれてありがとう。
金曜日か。あと1日働けばオフだ。
おやすみなさい👋