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シングルアゲイン

ロバ(もとボーイフレンド)と別れて最初の年は、彼と頻繁に会って食事や映画に出かける事が多かった。私たちは完全に友達関係に戻ってゆき、付き合っていたよりもいごこちのよい関係になっていった。冬には一緒にスキー旅行にもいった。私たちは恋人同士や夫婦ではなく、友達や兄弟としての関係であることが自然だったのだと思う。

それでもシングルの生活はきつかった。一人になって一人でご飯を作って食べるって自分には合ってないなと思った。煩わしいから一人の方がいいとシングルを貫いている友達たちがうらやましかった。私はカンパニーがいないと寂しく感じる犬体質なのだ。さみしいので当時流行っていたたまごっちなども買って育ててみた。ワンコを飼いたいなあとも思ったけれど、やっと見つけた部屋はペット禁止。ペット可のアパートを探すのは難しかった。

ロバと付き合っている間に、自分だけの友達サークルを作っておかなかったことは大きな痛手だった。ロバはアメリカに渡ってきたばかりの私をいろんなところに引き連れてアメリカの生活を紹介してくれたホストファミリーみたいな人でもあったのだ。シングルになることによって、私はいろいろな意味で独り立ちしなければならなかった。

ロバと付き合っていた間はプライベートの時間をロバとの時間を優先していた。数年だけ親友のベスがベイエリアに戻ってきたことがあった。遊びに行こうよという彼女の誘いを何度も断ると、あなたはロバから離れて自分の時間も作らなくちゃダメ!と怒られたこともあった。それでもわたしはベスとの時間よりもロバとの時間を優先した。

私としてはベスをロバとの時間に招待してみんなで一緒に過ごすことがベストだったけれど、ロバはベスのことをあまりよく思っていなかった。彼女をロバに紹介するためのランチに行ったきりでその後3人で過ごすことはなかった。ロバは人の好き嫌いがはっきりしていて、たいていの人が嫌いだった。私達がパーティなどを開いて一緒に過ごしていた人たちはロバが気に入っていた人たちだけだった。

広く浅くの付き合いは苦手だったので新しい人たちと知り合っていくのは難しかった。ベスはこの時すでに東海岸に引っ越してしまっていた。ロバと一緒に付き合っていた友達サークルの中にオランダ人のヨランダがいた。どういうきっかけか忘れてしまったけれど、ロバと別れてからヨランダと2人で過ごす時間が増えていった。ロバと別れてから最初にできた親しい友達で今でも付き合いは続いている。

会社での友達も増え始めていった。当時は週に2-3回ほど車で1時間のオフィスまで通っていた。みんなでランチにいったり、仕事の後でディナーに行ったりするようになった。会社仲間たちの何人かは週末にサーフィンに行っていた。初心者用のサーフボードを会社仲間から安く譲ってもらって一緒に行くようになった。

サーフィンする場所は私が当時住んでいたところからは車で1時間半くらいかかる。サーフィンにいく時は朝から晩まで週末が終わるのがありがたかった。シングルになると週末をどうやって埋めるかで苦戦するのだ。

そしてウインドサーフィンも一人になった私を救ってくれた。ロバはもともと私が頻繁にウインドサーフィンをしに行くのをあまりよく思っていなかった。一人になった今、好きな時に好きなだけ海に出られるじゃないか!私は学生時代の時のように、仕事の合間を見て時間があれば海に繰り出す生活に戻っていった。

こうして私の6年ぶりのシングル生活は38歳の夏に始まった。最初はよろよろと、でも少しずつペースをつかんでいった。

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