仕事がキター!就労ビザサポート付き
就労ビザをサポートしてくれる就職先がなかなか見つからなく焦り始めているときに友達を通じてオンラインバンキングのスタートアップが人を探しているという情報が入った。早速面接に向かう。
20代の日本人男子が作った会社だった。彼が大学生の時に始めたオンライン決済システムの事業に大手からの投資が入った。これから事業が拡大するというタイミングだった。頭の切れる日本人の男の子。私よりも一回り以上若いのに社長ってすごい!
大学生の時に始めたオンライン決済はアダルト系の売買のために開発されたもので、その手の業界ではとてもよく利用されているしくみだった。今のように何でもオンラインで買える時代ではなく、オンライン決済はまだ新しいテクノロジーだった。アダルト系のショッピングではアイデンティティを隠したまま商品やサービスを購入できるので、オンライン決済のサービスが普通のショッピングよりも進化していたのだ。
オンライン決済システムをアダルト系以外のサービスに広げていくための事業拡大でとても面白そうな仕事だった。若い社長とは面接で意気投合してすぐに採用が決まった。もう今すぐにでも来て欲しいようで今いる会社の整理も含めて2週間程度の猶予をもらった。
在米日本人向けポータルの社長へ退職の旨を告げ、仕事を整理しながらあっという間に時間がたった。来週の月曜日からオンライン決済の会社での勤務が始まるという前週に、ふと思い立って2か月前に面接してもらった大手リサーチ会社へ連絡を入れた。
落ちたと思い込んでいたが、紹介してもらったし一言挨拶した方がいいかなと思ったのだ。なんて日本人な心配り(笑)今にして思えばなんで電話しようと思い立ったのかよくわからないけど、変な虫の知らせみたいなものだったのかもしれない。
先日は面接していただいてありがとうございました。実は他の会社からオファーをいただきましたので、そちらの方へ行こうと思います。
すると電話の先で2人目の面接官だった背の高いイギリス人の男性が、
え!人事から連絡来なかった?オファー出したよ。今は弁護士とビザサポートの調整中なんだけど?
は?
全く想像してなかった返事が返ってきた。
あ、ありがとうございます。でも他の会社へのオファーを受けて来週の月曜からの勤務が決まってます。
そこからは、絶対うちで働いた方がよい、ペイもいいし、うちはグローバル企業だから大きなスケールで仕事ができる、絶対後悔しない、と延々と説得された。
大企業とスタートアップ。その時の自分にビザのサポートという問題がなかったら迷わずスタートアップを選んだと思う。過去に日本の大企業で働いて歯車になるはがゆさは自分に合ってないのはわかってた。スタートアップの方が自分の実力で勝負できる。
でも結局大企業の方を選んだ。決め手はサポートしてくれるビザの種類だった。
採用が決まっていたスタートアップはJ-1ビザという就労ビザのサポートで、このビザからグリーンカードと呼ばれる永住権の申請は出来ない。一方でITリサーチの大企業はH-1Bビザをサポートしてくれた。このビザからだと永住権を申請することができる。それでもスタートアップのオファーを受けたのは仕事の内容がとても面白そうだったのと、とにかくこの先数年働けるビザが欲しかったから。
スタートアップには平謝りでオファーをお断りした。申し訳なかった。
こうしてH-1Bビザをサポートしてくれる就職先が見つかった。勤務スタートは2020年の6月。プラクティカルトレーニングがスタートしてちょうど半年で欲しかったステイタスを手に入れることができた。
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