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23歳になって

小中高時代に仲の良かった友達ともだんだん連絡が取れなくなっていって

「あいつ今何してるんだろう？」

と思う友達はいっぱいいる（そして自分は何してるんだろうって思われてる側だと思う）

まぁ大半はそう思っても「まぁいいか」で済ませられるのだが、
自分の中でコイツは面白い奴だったなぁと思う友達が1人いる

そいつは はじめ と言う奴で、高校生の時に同級生だった奴だ

自分は高校に越境入学したので 寮に入ったのだが はじめは元々その寮に入っていた
（ちなみに中高一貫の高校で、はじめは中学校からの入学で自分は高校から入学した）

自分はサッカー部で方やはじめは帰宅部、かつアニメオタク

一見交わりがなさそうに見えるが、寮の人数の少なさとちょうどいい距離感もあり意外と波長は合った

そんな彼との出会いは 自分が寮に入った初日
ソワソワしながら寮をウロウロしていると、
彼は洗面所でオナホを洗っていた

あまりにも澄ました顔でオナホを洗っているもんだから、オナホではないのかと思って改めて手元を見てみてもやっぱりオナホだった

「はじめまして、よろしくお願いします」
と声をかけると
「あ、よろしく〜」とオナホを洗ったまま全く焦ることなく言われたのが衝撃的だった

まぁそんな事はさておき、彼はとにかく言葉で人を動かすのが上手かった 今で言うとひろゆきさんみたいな感じ？

何か間違っていることがあると先生にも噛み付く そして賢さゆえに先生まで言葉で打ち負かしてしまう

語彙力がとてつもないのだが、
更にすごいのが彼がしっかり勉強をしているのを見たことがないのだ

いわゆる天才型というやつで、勉強もろくにせずいつもニコチンが全く入っていない水タバコみたいなやつを吸っていた
（のちにこの水タバコのせいで先生とバトルしていたが、いつものごとく論を展開し打ち負かしていた）

そのくせ毎回模試では全国トップレベルの成績をとっていたもんだから凄かった
模試の成績を覗かせてもらうといつも見たことがない偏差値がズラリと並んでいた

そんでわからん事とかをはじめにきくと大体納得する答えを返してくるのもバカなオレには衝撃的だった

そんなはじめが多くの人を動かしたエピソードがある

自分が通っていた高校は自販機にジュースが無かった
健全な体を作るためだかなんだか忘れたけどそんな理由で みんな心の中でなんだそれって思いながらも渋々受け入れていたのだが

高1の時にそのはじめが前触れなく生徒会長に立候補して、
生徒総会の演説で
「自分が受かったら高校の自販機にジュースを入れます」
と言って全校生徒を沸かせた

そこで自分は別に部活にも入っていない高1が全校生徒1000人を動かす力に痺れたのを覚えている

しかも 緊張など見せずにあの時のオナホを洗っていた時の顔のままで演説をしているもんだからめちゃくちゃ面白かった

そしてはじめはそのままの勢いで生徒会長になって、
自販機には味付きのいろはすが増えた

自分はサッカー部だったので割とクラスではブイブイ言わせてた方だった けどそれはサッカー部だからと言うのもあるし 群れてるからブイブイ言わせられるのである

しかしはじめは帰宅部、1人で全校生徒を相手にして勝利したのである
自分がもし当時1000人の前でスピーチしろと言われていたら逃げ出していたかもしれない
堂々さとカッコ良さを彼に感じていた

はじめは結局高校を卒業した後関東の某有名私立大学に現役で合格したらしいと言う話を聞いた
正直はじめのことだから驚きはなかった

今は何をしているのだろうか

生きてたらどこかでその名前を耳にしそうな気がする
まぁきっと彼のことだから何か今も面白いことをしているに違いない

自分もそんな誰かの記憶に残る人間になれたらいいなと思う
くしゃみだらけの毎日を過ごしたいものです

おわり