実朝くんには、好きになものは好きと言える気持ち、抱きしめててほしい：「鎌倉殿の13人」感想

現在鎌倉殿感想メモをまとめておりますが、「第35回　苦い杯」を見たあとにツイッターを巡回してきて、ある説を確かめるために2周目をしたあとの考察感想文が、一記事にできる分量だったので切り出し。

---

＜好きになものは好きと言える気持ち抱きしめてたい＞

けだし名言である。マッキーの歌詞は好きよ。
はからずもこれから書くことにつながってしまうな……

ツイッターでぬえ氏がつぶやいていた件についてですが、あー、うーん、そうねぇ……あ、これから鎌倉殿の深読みおばさんが爆誕しますので（わたしのことである）ドラマを素直に見ていらっしゃってそういうの苦手な方はここでストップしてね。

もしかして実朝くん、好きな人がいるんでは……？って話ね。

確かにね、前回だっけ、太郎に、結婚してるのか？だっけ？あいまいですが、尋ねるところがあって、そのときに
なんか少女漫画の文脈だな……？とはちょっとひっかかりました。
つまり、結構年上の、ちょっと好意を寄せているお兄さんに、彼女のことやら奥さんのことを訊いてみてしまう、という女の子のセリフなんよこれ、と思って。

でもいろんなものが揺らぎやすい年頃だから、あんまりそのあたりはまだ実朝の中でも不確かで、その上でなんか訊いちゃったのかなって思ってたんですよ。それよりも、生まれたときからレールの上に乗っていて、何もかも大人たちに決められる、そういう人生であることのほうが、彼にダメージを与えているのではないのかな、と思っていました。

だから三々九度を躊躇ったのも、その延長であろうし、結婚相手のことも、好きでもない男と一緒になるとは不憫……と気にかけているのかなと。

そのあと、また太郎に、奥さんのことを訊くじゃないですか。前にも似たようなこと訊いてたのに、まだ己の中で解決してないんか……？とは確かに引っかかりました。

ふむー。と思って、実朝→太郎が成立するのか？とちょっと見直したんですわ。

そしたら、三々九度では千世ちゃんのことまったく気にかけていませんでしたね！(笑)どうやら自分の中だけの問題のご様子。

三善殿が千世ちゃんの素晴らしさについて語っていても、千世ちゃんのことNO眼中だったような感じがしますね。ただの奥手なのかなぁって思ってたんですが。

そして実朝の視線の先に太郎が。むむ、慕っている従兄のおにいさんにしては、たしかにフォーカスあたりすぎてるなぁ……そんで太郎の「？」だとかの表情がいろいろ抜かれてるんですよね……

だけど、あぁー！と思ったのは、おばばですわ。おばばが実朝とふたりっきりになって、妻を娶ったと言うわりに浮かない顔の実朝に、何か言いかけて、やめたんですよね。
これ……！！！これ腑に落ちてなかったんですが、実朝→太郎とすれば腑に落ちまくる！！！！！！！！！あー！！！

さらにそのあと、お前の悩みはお前だけのものではない、過去にも、未来にもそういう悩みを持つものがいる、みたいなこと言うじゃないですか。
これもわたしの前の解釈だと、いや実朝レールってあんまりなくない……？？ってちょっと腑に落ちてなかったのが！！！
そういう普遍的な話であれば腑に落ちまくるーーーー！！！

さらにそのあとの実朝の号泣！！からの吹っ切れた笑顔！！
あーーーー！！！
これは……採用していいんでは……？？

そうするとどの時点で自覚的だったのかって話になるんですが、それはちょっとわからないなぁ、自分の気持ちをあまり表さない子なので……。自覚的であっても、誰にも話さないだろうし、墓場まで持っていく気ではあるんだろうなと思います。
ただ吹っ切れた笑顔のときには、彼自身も肚落ちというか、覚悟決まったんではないかな。

そうか、、だからおばばが必要だったんだわ。おばばとふたりきりになる必要が。誰にも言えないから、言わなくてもわかってくれる人が。

そしておばばとふたりきりになっているテントの中を、心配そうに気にかけている太郎も抜かれていますねぇ。たぶん太郎は一生気づかないんでは。そして実朝はたぶんおくびにも出さんぞ。
太郎は天然人たらしの様相があるよね。

で、ふと冒頭の実朝のセリフを思い出すんだ。
この歌が一番好きです、って。
好きなものを好きって言えるのは、勇気もいるし、そして時には、とても贅沢なことなのかもしれない。
実朝は、好きな人に一生好きとは言えないかもしれない。
でも、その好きは、誰にも汚されることはないんだよ。実朝くんは、その気持ちを大事に抱えて、生きていくことができる人だと思う。大事に守っていってほしいなぁ。

まぁ別に、ほかの人のこと好きになってもいいんだけどさ。でもどっちみち、もう結婚しちゃったしねぇ……実朝くんはいい子だから、正室をないがしろにはしなそうだし……。

とここで史実を調べたら、実朝、実子おらんかったのね。ああああああ。

以上深読みおばさんでした。ご清聴ありがとうございました。

36回目以降はこちら。