台湾留学9月〜11月、クラスの合言葉は「パパ活したい」
9月11日、本格的に中国語の勉強が始まった。そこから11月24日まで、多国籍な同級生と一緒に学ぶ時間が、一日の中で1番楽しかった。
そんな秋学期のふりかえり。
書けるけど、読めない、喋れない私
授業が始まる10日前に受けた試験を元に、クラスが決まる。レベルは全部で9つ。1番下がレベル1で、私はレベル2に振り分けられた。『1番下かと思っていたのにラッキー』と思ったのも束の間、同級生の中国語が想像以上に上手だった。
先生に聞くと、「レベル3のクラスに空きが無かったので、このクラスに振り分けられた」とのこと。書けるけど、読めない、喋れない私。先生は「自信がなければ下のレベルのクラスに変えれる」と教えてくれた。
『レベル1で基礎から丁寧に学んだほうがいいのではないか?でも必死に勉強すれば付いていけるかもしれない』同級生と比べて自信を無くしていた私は、とても迷った。
変更期限の金曜日、学校のオフィスに行き「レベルを変える」と伝えた。レベル2で頑張るという決断をせず、できるかもしれないという自分の声を無視したのだ。
「自分は、自分自身に対して、なんて失礼なことをしたんだ……」
クラスの合言葉は「パパ活」
レベル1に合流した私。同級生はアメリカ人2名と、イギリス人・ベトナム人・コロンビア人・マレーシア人・インドネシア人がそれぞれ1名ずつだった。とても静かな、落ち着いたクラスだったのだが、途中入場でベトナム人が1名増えてからクラスの雰囲気が変わった。
ベトナム人の彼女は20代後半。大学卒業後、就職し結婚をした。しかし彼女は学業への夢を捨てきれず、台湾の大学に入学するために語学学校に入学したのだった。モチベーションが高く、活発な彼女はクラスでもたくさん、しかも大きな声で発言する。
そんな彼女に影響されてか、いつの間にか私たちは、いつも笑いが絶えず、好き放題に質問し、教科書の範囲外の単語まで学ぶ、そんなクラスになっていた。授業中も休み時間も、ずっと喋っていた。拙い中国語と英語で、いつも騒がしかった。
クラスで流行っていたジョークがある。
「我沒有錢。我要糖爸爸,不用男朋友*」
飽きもせず、毎日まいにち繰り返していた。日常生活では全く使えない。
学期後半になるにつれて先生によく言われた「こんなに喋るクラスは滅多にない。とてもレベル1のクラスだとは思えない。みんなは特別だよ」と。
私はあの時、自分を信じなくて本当に良かった
語学学校で楽しく学べるかは、完全に運だと思う。どんな担任か、クラスメイトかで教室の雰囲気は全く違う。
私たちは奇跡的に、相性が最高だったのだ。ねちっこいブラックユーモアで笑わせてくれるイギリス人、とにかく元気なベトナム人、みんなのママ・インドネシア人、早口で喋るから何を言っているか分からないアメリカ人、笑い上戸のコロンビア人etc…
私はあの時、自分を信じれなくて本当に良かった。
発音は難しいし、Airbnbのホストには「下手すぎ、時間の無駄」なんて言われたけど、最高のクラスメイトがいたから楽しく学び続けられた。彼らのおかげで、のびのびと中国語の勉強を始めれた。
冬学期が始まり、別のクラスになった私たち皆が声を揃えて言うのは「無聊……」。特別だった私たちは、今、“普通”のクラスで洗礼を受けている。
さて冬学期はどうなることやら。
補足
1:「糖爸爸」はsugar daddyの直訳。正しくは 「乾爹(Qián diē)」
2:「私お金ない。パパ活したい、彼氏はいらない」は意訳です。
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Airbnbのホストに「下手すぎ、時間の無駄」と言われた話