「足下をすくわれる」は正しい使い方なのか？ ＃１１９
お疲れ様！
よく「足下をすくわれる！」
というのを聞く。
私も「足下をすくわれる」と言っていた。
が、これ、実は間違っている⁈
なんで、急に思ったかというと、
「好調な時ほど気を付けないといけないな」というのを考えていて、その時に、
「足をすくわれる」？
「足元をすくわれる」？
どっちも聞くな、と思って、調べたんだ。
すると「足をすくう」が正しいというのがほとんどだった。
「足をすくう」とは
あし【足】 を 掬(すく)う
( 相手の足を払うようにして支えを失わせる意から )
相手のすきに付け入って、思いがけない手段で相手を失敗、敗北に導く。足がらを掬う。
語源と歴史
「足をすくう」の語源は、
相撲技の「小またすくい」のように横にはらうことを意味する「すくう」が、具体的な体の部分である「足」でなければすくえないことに由来している。
また、戦国時代や武士道が盛んだった日本の歴史において、相手の警戒や弱点を作ることは生き残りの戦略の一部だった。心理的な政策略や裏切り要素といったものも含むようになった。
「好調な時は、喜びのあまり、周りが見えなくなりがちだから、足をすくわれないようにね」
ということが言いたかったんだ。
でも、「足をすくわれないようにね」
ではなく
「足下をすくわれないようにね」
と言いがち。
あれ？なんで？
と思ったの。
調べると、
「足下をすくわれる」という慣用句はない、この意味を表す慣用句として辞書に載っているのは「足をすくう」だ、という。
また、「足下をすくわれる」は、誤用だということも多々書いてある。
あまり「足をすくわれる」と聞かないんだよね。
私だけ？
すると、こんなのが載ってた。
[補説]文化庁が発表した「国語に関する世論調査」で、「足をすくわれる」と「足下をすくわれる」について、どちらの言い方を使うか尋ねたところ、次のような結果が出た。
足をすくわれる（本来の言い方とされる）
平成19年度調査：16.7パーセント
平成28年度調査：26.3パーセント
足下をすくわれる（本来の言い方ではない）
平成19年度調査：74.1パーセント
平成28年度調査：64.4パーセント
しかも、chatGPTに聞くと、
「足下をすくわれる」の方が誤用だという。
「足をすくわれる」は誤用
間違い、「足をすくわれる」という表現は、一般的な日本語の表現としてはあまり正しくないとされています。意味としては「足元をすくわれる」と同じ状況を示しているつもりかもしれませんんが、「足をすくう」という動作自体が「足元を向いてバランスを目指している」という行動を指しているので、足自体ではなく「足元」を向いている方が自然です
やっぱり当てにならんね。
結論、「足下をすくう」を使ってもいいのか、「足をすくう」と言わなければならないのか、もう少し調べたら、こんなのがあった。
いわば、辞書の神様のお墨付きを得たようなわけで、「足下をすくわれる」も、「足をすくわれる」も、仲良く『三国』に載りました。ただし、語釈は「足をすくわれる」のほうに記し、「足下をすくわれる」は空見出しとしてあります。
「三国」は、「三省堂国語辞典」のこと。
どういうことかというと、
一般には、「足をすくわれる」が正しいという主張が目につき、たとえば、日本語の誤用を批判するある本では「足下」というのは立っている足のあたりのことだと言い、すくうのは足そのものであって、足下ではないと説明しているとか。
ただ、「足をすくわれる」の古い例は、目下のところ昭和初期のもの。
一方、「足下をすくわれる」は、手元の一番古い例は1950年代のもので、資料の上では20年ほどの差しかない。
一例
〈この人には、夢はない。冷静に現実を見ている。建一郎は足もとをすくわれる気がした。〉（石川達三『人間の壁（上）』〔1958年〕新潮文庫1981年37刷 p.233）
それで、「足下が冷えた」と言えば、足の先の方を指し、『三国 第六版』の「足下」にも、〈足の、先の ほう〉という意味が加えられた。
なので、「足下」はすくうこができる、ということになった。
まぁ、そんなこんなで、結局は、
「足下をすくわれた」
と言っても、間違いではないみたいだね、最近は。
ただ、ここ最近、正しい日本語を使わなければならないという風潮が激しいから、そのうち、違う！とか言われかねないけどね。
正しい日本語を使うのは大切だけど、コミュニケーションのうえで、全てを0点か１００点にしない方がいいと思って使っている。
反論は受け付けないよ。
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9月27日
— ミカ (@Mikaonearth) September 27, 2024
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