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お車代やお膳料は用意する必要があるの?包む金額はいくら?

お葬式や法事のときには、お坊さんに『お布施』を包みます。

そして、お布施の他に、

  • お車代

  • お膳料

などを包む人もいます。

では、『お車代』や『お膳料』というのは必ず納めるものなのでしょうか。

また、納めるとしたら相場がはどのくらいなのでしょうか。

この記事では、『お車代』と『お膳料』の意味と相場について、僧侶の僕が詳しく解説していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。


お車代やお膳料は必要なの?

僕は僧侶になって20年以上ですが、これまでたくさんのお葬式や法事をお勤めしてきました。

そのときには、お布施の他にも、

  1. お車代(おくるまだい)

  2. お膳料(おぜんりょう)

を納めていただきました。

しかし、お車代やお膳料は【必要なもの】というわけではありません。

お車代やお膳料というのは【お坊さんへの心遣い】として包むものです。

なので、よく「お布施だけでなく、お車代やお膳料も必要だ。」と思っている人がいますが、そういうものではないんですよね。

お車代』や『お膳料』を包むかどうかはあなたの自由であり、包む金額もあなたの自由です。

それに、僧侶の立場としては、お車代やお膳料がなくても、お布施を頂いているだけでも十分にありがたいんです。

でも、ありがたいことに一定数はお車代やお膳料を包んでくださる方もいます。

そのような方のために、この記事の中で【お車代】と【お膳料】について詳しく説明をさせていただきますので、ぜひ続きをお読みください。

お車代

まずは【お車代】について説明します。

■お車代の意味

お布施を頂くときに、喪主や施主が「今日はわざわざお越しいただいてありがとうございました。」と『お車代』も一緒に納めてくださることがあります。

お布施だけでも十分なのに、本当にありがたいことです。

お坊さんに包む【お車代】とは、簡単に言うと『お坊さんの交通費』です。

昔は、お葬式や法事などがあるときに、喪主や施主またはその家族が【お坊さんの送迎をする】ということがよくありました。

しかし、現在では【自分で現地へ行く】というお坊さんが多く、僕の場合は送迎をしてもらうことなんて数年に一度くらいです。

そして、お坊さんの本音としても【自分で現地に行く方が気楽】なんですよね。(※高齢のお坊さんの場合は送迎してもらえると非常に助かります。)

そのようなわけで、お坊さんが自分で車を運転したり、公共の交通機関を使って、【自分で現地に行く】というのが一般的です。

そこで、喪主や施主はお坊さんの送迎をしない代わりに、【お車代】という形で交通費をお布施の他に包んでくれるのです。

しかし、お坊さん側はお車代がなくても、頂いたお布施だけで十分に交通費はまかなえています。

ですから、お車代は必要なものというわけではありません。

■お車代の相場っていくら?

お車代を包むかどうか、そしていくら包むのかはあなたの自由です。

とはいえ、お車代の相場がどのくらいか知っておきたいですよね?

僕が今まで頂いたお車代の金額は、ほぼ、

  • 5千円

  • 1万円

のどちらかです。

他のサイトなどには『お車代の相場は、5千円~1万円』みたいに書いてあるかもしれません。

それらのサイトの内容をそのまま受け入れると、包む金額が6千円や8千円でもよいことになります。

しかし、僕は今まで6千円や8千円のような金額は頂いたことがなく、お車代の99%は5千円札や1万円札のような《紙幣一枚分》の金額です。

ちなみに、残り1%の中には2万円を包んでくれた人もいました。

■お車代の金額を決める基準

ここで、僕なりに『お車代の金額を決める基準』を考えてみました。

金額を決める基準は【お坊さんのお寺がある場所】です。

僕の基準は、

  • お寺と法要場所が同じ市区町村内にある場合は【5千円】

  • それ以外の場合は【1万円】

となっており、これくらいが丁度よいと思います。

ここで、1つご注意いただきたいことがあります。

お通夜とお葬式のように2日間の法要がある場合でも、お車代を包むのは1日分だけでかまいません。

例えば、お通夜で1万円、お葬式でまた1万円、みたいなことはしなくていいです。

お坊さんも、そこまでは望んでおりませんのでご安心ください。

お膳料

続いて【お膳料】について説明します。

僕の経験上、【お膳料】はお車代に比べると頂く機会は少ないです。

頂く機会が少ない理由は、お膳料の意味を考えれば説明できます。

■お膳料の意味

お膳料とは『お坊さん用の食事(お膳)代金』のことです。

お坊さんと一緒に食事をする場として、

  • お通夜の後

  • お葬式の後

  • 回忌法要の後

などがありますが、このような場にお坊さんが出られないこともよくあります。

そのようなときは、お布施とは別に【お膳料】を包みます。

要するに、「お坊さん用の食事の分だけ現金を包んでおきますね。」ということです。

したがって、お坊さんが食事の場に出ているなら【お膳料】は必要ありません。

そして、お車代と同様にお膳料は【必要なもの】というわけではないのです。

つまり、これも【お坊さんへの心遣い】として包むものなんですよね。

そもそも、お坊さんの都合(勝手)で食事を辞退するのですから、本当なら何もしなくたっていいんです。

それなのに、お膳料を頂くこともあるので、そんなとき僕は本当にありがたく、そして食事の席に出られないことを申し訳なく思っています。

■お膳料の相場っていくら?

お車代に相場があるように、お膳料にも相場があります。

僕が今まで頂いてきたお膳料の金額は、ほぼ、

  • 5千円

  • 1万円

のどちらかです。

そうです、お車代と全く同じなんです。

お車代と同じように、お膳料を頂戴した99%は、5千円札か1万円札といった《紙幣一枚分》の金額です。

ちなみに、残り1%の中には【3万円】を包んでくれた人もいました。

僕は「何かの間違いでは?」と思いましたが、間違いなく【お膳料】として包んでくれたものでした。

■折詰弁当があるときは必要なし

先ほど『お坊さんが食事の席に出られないときに【お膳料】を包む』とお伝えしました。

でも、もしもお坊さん用に『折詰弁当』を用意している場合は、お膳料を包む必要はありません。

お坊さんが食事に出られなくても、ちゃんと【お坊さん用の食事】を渡すのですから当然のことです。

ちなみに、最近では折詰弁当を頂くことの方が多くなりました。

料理業者によって品目が違いますし、お坊さん用ということでお気遣いをいただいているのか、とても豪華で美味しいのです。

さらに、折詰弁当と一緒にお膳料を包んでくださる人がいますが、そこまでしなくても大丈夫ですからね。

まとめ

僕たちお坊さんは、喪主や施主から頂いている『お布施』だけでも十分です。

お車代やお膳料は、お坊さんへの心遣いであって、決して【必要】というものではありません。

ですから、もしもあなたの親戚や知人などに「お車代やお膳料を包むのは当たり前だよ」と言われても、それは無視して大丈夫。

お車代やお膳料を包むのかどうか、そして包む場合の金額などはすべて【あなたの気持ち】で自由に決めてください。

《※喪主を務める方はこちらの記事も読んでいます》


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