The end of their life. 062 柳兼子
柳兼子(やなぎ かねこ)
(1892年5月18日-1984年6月1日)
日本の声楽家。
東京府生まれ。
「声楽の母」と呼ばれるアルト歌手。夫は文芸思潮白樺派の同人で、民藝運動の中心人物であった美学者・柳宗悦。長男は工業デザイナーの柳宗理。
宗悦の活動を支えながら三人の子を育て、明治・大正・昭和に渡って歌い続けた。
かつて留学したドイツ・ベルリンでのリサイタルでは歌曲を披露してドイツ人を驚愕させたというが、85歳まで声楽家としてリサイタルを開いたというのもとても珍しいことらしい。わたしが聴いた歌声もとても80を超えているとは思えないほどみずみずしく、力強くて張りがあった。
日本政府の朝鮮半島への同化政策に反対し、現地でリサイタルを開催し、また頑なに軍歌を歌うのを拒むなど反骨の人でもあった。
1984年6月1日に92歳で亡くなる2ヶ月前まで後進の指導にあたっていた。
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