新天地
児童相談所にて。
私はとても居心地の良い空間だったのを鮮明に覚えています。
その場にいたのは中学生の男の子と私だけ。
中学生は非行をして、両親が手を付けられなくなって入所したのでしょう。
一緒にゲームをしたり、一緒に食事を摂って、一緒にお風呂に入って、少しずつ集団生活の訓練をしているようでした。
にしても、食事が充実していて、毎日が楽しみでした。
コロッケ、焼肉、メロンソーダ、初体験でした。
勉強する時間もあったのかな?
確か。夏休みに突入したくらいの時期だったような気がするのですが、そこで過ごしたのは10日間くらいでした。
中学生の男の子は、窮屈だったのでしょう。
何度も脱走を試みて、泣きながら連れ戻される。
そうですよね、自由を完全に切り離された生活でしたからね。
外を見るにも鉄格子越し。
檻に入れられた鳥のようです。
そこが快適だと思う鳥もいればそれが、不快だと思う鳥もいます。
自分は前者でしたが。
今までの生活とは考えられないくらいの規則正しい生活。
嫌いな人間と同じ空間にずっといるといないのでは大きな差なのです。
平穏な日々の中で、前日に通達というか、配置される児童養護施設が決まったよと言われるのですが、全然どこでも良かったです。
幸いにも生まれ育ったあの小さな町にも一つだけ児童養護施設があり、そこに入所することになったのです。
そこまでは車で送ってもらうことになるのですが、楽しみでなりませんでした。
1時間半ほど揺られた所で到着し、優しそうな園長先生、保母さんがお出迎えしてくれました。
そのころは建物を取り壊し、新しい建物に変わってる最中で、プレハブでの生活でした。
プレハブでの生活。
夏は暑くて、冬は寒い。
同級生が3人いたので、すぐに馴染めました。
その他にも3歳から18歳までの40人ほどの子どもが入所していました。
そこで一日の流れをご紹介します。
6:30起床(土日は7:00)
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起きたらすぐに掃除。
(学期毎によって掃除を担当する場所が分かれていますが、低学年は中学生のお兄さんと一緒に廊下の掃除がメインです。)
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7:00朝食
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登校
↓(休みの日は8:30~9:30まで学習)
(9:30~10:30までは作業。基本的に庭の草むしりや石拾い等の外の美化作業です。)
下校
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おやつタイム
(一口サイズのお菓子を3つくらい。小学生と幼児さんのみ)
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17:30夕食
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18:10学習
(この時間には、中学生、高校生が勉強の時間になります。小学生は宿題が終わっているので部屋で大人しく読書をします。)
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19:00お風呂
(小学生+指導員、中学生、高校生がローテーションで回っていきます。)
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自由時間
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21:00消灯(金土は21:30)
これが一日の流れでした。
衣食住には、日本国民の皆様のお蔭で不自由はなかったです。
多くの境遇の子どもがいるので、多くの事件が起きるのです。
続く…