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人生は所詮、ただの『HOMESTAY』なんだから
「気になっている映画」でも紹介したAmazon Original映画『HOMESTAY』を、先日鑑賞しました。今日はその感想をまとめたいと思います。
生前に犯した何らかの罪が原因で、さまよう魂となった「シロ」がある日突然、死んでしまった高校生「小林真」の体にホームステイすることになる。そんなとんでもないところから物語は始まります。
自らを「管理人」となる謎の人物から「100日以内に真が死んだ原因を突き止めなければお前は消える」と宣告されるシロ。戸惑いながらも「小林真」として、彼が死んだ理由を探すこととなります。
そんな風に進んでいく物語に私は最初、感情移入することができませんでした。どこか他人事のように「真は何で死んだのか」を追う、得体のしれないシロの様子を眺めていたんです。
しかしシロが真相に近づくにつれ、段々と他人事に思えなくなっていきます。他人の人生を生きていたはずのシロと一緒に、私自身も「真の人生」の中に徐々に引き込まれていくような感覚がありました。
そうしてシロが最後にたどり着くのは「真の死の真相」、そして「自分が生前に犯した罪」。この2つが重なり合った瞬間、作品からの大きなメッセージが自分の心に押し寄せてきます。それを受け取りながら、溢れてくる涙を抑えることができませんでした。
「人生は所詮、ただのホームステイなんだから」そんなあまりに軽やかな最後の台詞も、この作品を観る前のこれまでの私ならきっと、その意味も重みも理解することができなかったでしょう。
そして忘れてはいけないのが、この作品の原作が森絵都さんの『カラフル』であること。映画の中では「カラフル」にまつわるメッセージも随所に散りばめられています。
「赤だったり、青だったり、紫だったり、みんなそれぞれ持っているのは一色じゃない」そんな印象的な台詞をはじめ、作品全体から「カラフル」という言葉の世界観も、同時にしっかり感じることができました。
こがけんさんの感想にもありましたが、この作品は映画館ではなく、それ以外の環境で見られるところにも大きな意味があるように思います。作品のどこで何を感じるかは人それぞれだからこそ、ありのままの自分でいられる場所で観ることにも、価値があるのかもしれない。
「大人・子供問わずに観てほしい」私も同感です。きっと誰が観ても、それぞれに作品からの温かいメッセージを受け取ることができると思います。
ちなみに私は観てから知ったのですが、この『HOMESTAY』は日本初のAmazon Original映画だそう。そういう意味でも、たくさんの人に観られるべき作品です。プライム会員の皆様、ぜひぜひ観てみてください!
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