見出し画像

特定の音だけに慣れると…

英語を学習して使えるようになりたい。そう思っている人は、リスニングにも取り組んでいるはずです。

しかし、いざ懸命に聞き取り練習をしても実際に英語で会話したり、生の英語を聞くと途端に聞き取れない場合がある。

これには、もちろん英語の音自体に慣れていないのが原因の人もいるのでしょうが、それ以外にも原因があります。

そのもうひとつの原因は、特定の音だけに慣れているということ。

実際、英語はイギリスやアメリカのような英語圏だけで使われている言語ではない。英語圏以外でも使われているもの。しかも、イギリスやアメリカのように英語圏だったとしても誰でも癖があるもの。

しかし、特定の音だけに慣れると、それと少し違う音の雰囲気だと途端に聞き取れなくなってしまう。

これは、英語圏でも実はよくある。たとえば、英国のように階級性がある国の場合を例に挙げる。英国人の使う英語は、職業や地域性、そして階層によって言葉やアクセントそして音の雰囲気が全く異なってくる。なので、自分と同じような属性の人としか交わらなかったりすると、少し違う層の人と話そうとすると、同じ言語なのに聞き取れないし話せないが起きてくる。

なので、英語を母国語としない国の出身者が聞く媒体が偏っていれば、聞きとれず話せないことが起こるのは当然。

日本の英語学習者は、意識してわざと色んな種類の英語を聞かなければ、同じような音ばかり聞いてしまう可能性はいつもある状態になっていると思っておいて丁度良いのだ。色々な音に慣れれば慣れるほど良い。

なぜこれが大切かというと、日本人はどれだけ努力したところで英語圏の人間ではないからだ。文化圏も違う。それなので、英語圏の人間からしたらアジア人であり外国人枠になる。その結果、同じく英語圏以外の人達と同じ分類になるため、自然とそういう人達と交流する機会が増えることとなる。

そこで、似通った音の雰囲気の物だけしか聞き取れないとどうなるか……。途端に、輪に入ることが難しくなってしまう。まあ、強力なコネでもあれば別だろうけど大多数の人には無縁だろうから、そうなる人の方が多い。

そこらへんが、日本人はよく分かっていないために似たような自分の好きな居心地の良い音ばかり聞いてしまっている傾向が強い

いくら似た音をたくさん聞いても、実際に使うことになると、さっぱり聞き取れない人が出てしまうのはこれが原因のひとつ。

特定の音だけに慣れているから、当然のことが起こっているだけ。

英語圏の人間で、独自のコネクションがあり、それ以外の人とは話す必要もない生活を送っている人も確かに存在するし、珍しくもない。けれど、殆どの日本人においては全くそんなはずはないという事実は知っておいた方が良い。

実際に英語を便利な道具にするために、いろんな種類の英語を聞くことはとても大切だ。ここで、どれも同じ英語の音に聞こえる人は、まだ使える程度に英語力は身についていないといえる。

“同じ英語圏でも全く異なった雰囲気の音が溢れているな。それだけじゃない、世界にはこんなにいろんな喋り方をする人がいるんだな。”

そう思えるようになることが、英語をまず最初に使えるようになる第一歩となる。

ネーティブの発音はこう! などと一括りにできるのはかなり謎なことをしている。

そして、発音の違いはとてつも無く大変だと意識して初めて出発点だ。

我々は、日本人だから日本語発音を誇ろう!と発音記号を無視したり、ネーティブ発音はこうだ!と極端に特定の音を押したりする。こういうことはどれだけ現実離れしていることだろう。

どれだけ頑張っても、発音は誰でも何らかの刷り込みがある。なので、できる限りフォニックスの原則に乗っ取る練習をしないとおかしい。

なぜ、相手には自分の好きな居心地の良い音を求めるのに、自分は心がけないのだろうか?

特定の音だけに慣れるという弊害の結果である。

英語発音についても、色々書いています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?