出身地の話題。
出身地の話題。それは、よくある雑談のネタでしょう。私がオーストラリアに滞在している間、とてもよく聞かれましたね。
どうもこれは何処の国の人も、同様のようでした。
私がずっと気になっていた事のひとつとして、この出身地とやらを聞かれた時に嘘をつく人がいる事実です。
例えば、日本人の場合。
関東近辺に住んでたのに、東京と言う。
関西近辺に住んでたのに、大阪や京都と言う。
中部地方に住んでたのに、名古屋や豊田と言う。
などです。
要は、よく知られている土地の方が相手の食いつきが良いんじゃないかというのが理由。
まあ、日本人じゃなくても、そういう嘘ついてる人はいるんですけど、かなり少ないです。
“えー!そんな土地あるんだ!”
みたいに知らない場所について発見し、話してて楽しい時が多かったです。
私はこの相手の食いつきが良いから知られてる土地を設定するみたいな姿勢自体が、ちょっと疑問なんです。
知ってる単語だから、お世辞で反応してるだけの人もいるんじゃないかとも推測できるし……。
だって、
「なんで、日本人はみんなTOKYOやOSAKAばかりに住んでるの?それってほんとなの??他の場所には人いないの??」
みたいに聞かれた事もありますから。正直、困りましたよね 笑。
「え!?そんなはずないし、他の場所にもいるのに不思議だね!?」
程度にしか返せませんよね。
じゃあ、そもそもコミュニケーションってなんだろう?と考えた方が良い。
コミュニケーションは、自分の情報を相手に渡して信頼を得、相手の心を開かせる役割もあるのではないでしょうか?
それで仲良くなれる人はなっていく。
最初から、自分の嘘の情報を渡してその機会を奪っているのではといつも不思議でした。
出身地の話題なんて、めちゃくちゃ沢山ネタが詰まってるものなのに、よく知ってる単語を挟む事に気を取られるのは勿体無い。
これって暗記教育の弊害ですよね……。
自分が育ってきた場所や、過ごしてきた場所は嫌でもどんな場所か詳しくなってくるはずなのに。
そして、大切な事はそれだけじゃない。そこで体験した事柄が、その人の中での土地に深みを足していくんです。その時の想いなどが合わさって人が形成されているんですから。
だから、自分が住んだ事がない土地のことは、どう足掻いたって、表面的な浅い部分しか分からないし喋れないのは事実なんです。
そんな事しかネタがなくて、会話にみんなが食いつくと思いますか?
表面的に食いつくフリをしてくれる程度ではないですか?
となんともモヤモヤしてきます。
それに、今や科学が進歩した時代。
“ただの浅い情報だけだったら、別に話す必要ないのでは?”とか、“調べてわかるような事を言ってるだけって、機械と同じじゃないですか?”という話にもなってくる。
会話のネタというだけではなく、自分の記憶や想いから、出身地の情報を頭の引き出しから引っ張ってくるその過程こそが、コミュニケーション能力をあげる脳回路のトレーニングになる意味合いもあるのになとも…。
そういう動作を繰り返す事が、英会話の能力向上にも間接的につながる。
脳の中を見える化してみると、、、
出身地の話をしよう!
↓
まずいみんなが知らない場所だ。白けたらやばい
↓
そうだ!とりあえずTOKYOって言おう!
↓
沢山話題にされてそうなスカイツリーにしよう!
↓
これで間違いないんだろうな!
↓
こないだ覚えたネタを話そう!
どうなのよ?これは…
これ、もう機械と変わらないですよ。
あなたと話す必要ありますか?
というホラーをやってるんですよね。
そうですよね。。
たかが出身地の話題にどう向かい合うかだけでも、会話の意味がすごく見えてきます。