スーパーサイズ・ミー:ホーリーチキン
“スーパーサイズ・ミー”というドキュメンタリー映画を観た事がありますか?
今回は、同じ監督が健康を売りにしたチキンのファーストフード店を開店させるドキュメンタリー映画“スーパーサイズ・ミー:ホーリーチキン”を観たのでネタバレなしのレビューをします。
これは面白かった!
企業がどうやって商品を売り出すかマーケティングの観点からも興味深いし、食の安全の視点から観ても良いし、社会構造の闇を暴く話として観ても面白い。
全然飽きる事なく観ることができました。
面白いのは、実在する企業がいかに中身は全く変わらないのに、食を健康的に見せる努力をしているかという点。
色やディスプレイ、そして言葉を巧みに使い大衆の心理をコントロールする。本当に上手い!と言わざる負えない。
全く内容とは関係なくたって健康的で安全に見せる事は可能な訳で、言ってしまえばマーケティング戦略が心理的に分析されている現代においては、それをしない企業が不利になる状況さえ起こり得るのではないかと思いました。
だから、有名な企業は食品に限らずですが、多かれ少なかれ大衆の心理を操作している訳で、良い言い方をすれば、“心を捉えている”。悪い言い方をすれば“詐欺を働いている”と言えてしまう訳です。
そんな事をこのドキュメンタリー映画は上手く視覚化していて、観ていてスカッと気分が良い気がしました。
食品は口に入れるものだから、出来る限り良いものを食べたいですよね。
でも、外食などするとお客さんが安心するような仕掛けがあちこちにしてあります。そこから、この肉は何を食べて育ったか、汚染されてはいないか、衛生状態はどうかなんて事は全く分からない訳だから信用出来るかは全くの別問題。
私は疑い深いのもあるから、そんな理由から前から外食はあまり好きではありません。何食べてるか分からないし…。だからこれは“健康”とか“高級”とか“安全”とか宣伝されていても、身体に凄く悪いものかもしれないと常に疑っています。証拠なんてないし…。
その分、自宅で買ったものであれば例え身体に悪い物でも身体に悪いと分かっているぶんましと思っています。そう思っていれば食べ過ぎないし、デトックスしようとするし、私にとってはかなりマシです。
できる限り、原材料を調べる努力はして安心して食べたいけれど、結局は全ての事が分かる訳でもないし、美味しく楽しんで味わい、あまり食べ過ぎないようにする事が大事なのかなといつも思っています。
だから、お腹が空いていなければ、腸内環境を整える為にも、食べないようにしています。
私はこのドキュメンタリーを観ても、結局はチキンが好きだし食べ続けます。きっと、彼のお店のお客さん達もそうでしょう。
人は欲求の一つとして“肉が食べたい”と思う訳で、それは事実を知っても変わらない人の方が多い。
寧ろ、誤魔化されながら身体に悪そうな物を摂取し続ける事が問題のような…。
ただ感じたのは日本においては、もう少し原材料を追えるトレーサビリティの考え方が広まれば良いのになあと思いました。アメリカの方がこういう考え方は進んでいるのですが、それでもこれだけの誤魔化しが横行する訳で、そう考えると日本の食の安全ってどんな感じになっているのでしょうか?
野菜を食べる事、手間をかけて手作りする事が何故健康に良いのですか?
それだけでは、本質が見えない。
野菜を育てている土壌が農薬により肥沃でなくなっていた場合、栄養は抜けます。それに加えて、化学物質が含まれた水が葉脈を通ると、味がない不味い野菜ができます。それを沢山食べる事になんの意味があり、どうして健康なのですか?
栄養素のバランスや、食材の質や鮮度を考えずに整った料理を作ってもそれが健康的かは分かりません。下手に調味料で味を整えた物よりも、バランスを考えて作られた市販品の方が健康に良い事さえある。
だから手作りは健康の必要十分条件ではないです。
案外とここまで考えずに騙されている人が多い。
だから質が悪い物を使って調理しているレストランが潰れないし寧ろ儲かってしまいます。
映画の中でマフィアの話が出てきて、HBOドラマのブレイキング・バッドを思い出してしまいました。あれも、チキンのファーストフード店出てきたなって。クリスタルを取り引きするマフィアとか人間模様が凄くて楽しい話だったなあ。。。
今の世の中は、堂々と詐欺している人間も多いから、マフィアみたいに分かりやすい団体よりもクリーンなイメージの場合の方が怖い場合も多いのかなと思いました。