食事の時の挨拶
これは以前にも似た事を書いたと思うのですが、何度も伝えたい事なのでまた違ったエピソードを入れて書きます。
それは、食事の時の挨拶についてです。
こんな些細な事でも大切な発見があります。
私が最初にオーストラリアに着いてお世話になったホームステイは、イタリア系オーストラリア人のおばあちゃんがホストマザーでした。
彼女は、食卓を一緒に囲むのを楽しみにしていたので家に私がいる時はいつも一緒に夕食を楽しみました。
彼女はホストマザーをしていた経験が長く、いろんな国の言語を少しずつ覚えていました。
彼女は、“いただきます” “ごちそうさま”も覚えていてその意味をたずねてきました。
「これって、お祈りの一種なの?」と、、
彼女はクリスチャンだったので家族がホリデーシーズンに集まると、手を繋いでお祈りしたりしていました。
だから、”いただきます” “ごちそうさま”も、言う時に手を合わせる人がいたので宗教的な意味があるのかと興味を抱いたようでした。
私自身、真剣に意味を考えたこともなかったので新鮮でした。
ちょっと迷った挙句、
「食事の時の挨拶でただの習慣だよ。」
「食事に感謝を表す印だよ。」
と答えました。
“よく考えたら、英語でこれに当てはまる言葉がないな”
と気付いたのもこの時でした。
じゃあ、なんと言ったらいいのだろうか?
正解はありません。
人それぞれ言うことが違います。
現地の人達を観察したらいろんな人がいました。
言葉を発している人達の共通項は、食事の前後に感じた事が多いです。後は、掛け声的なもの。
食べる前は、
「あーすごく美味しそう!」
「素敵な盛り付けでいい感じ」
「私が好きな〇〇があって嬉しい」
「さあ、食べ始めよっと!」
とかこんな感じ。
食べ終わったら、
「あー美味しかった。満足。」
「美味しい食事ありがとう。嬉しかった!」
「〇〇に乗ってた□□が良かった」
「好きなものが多くて嬉しかった!」
「楽しいディナーを味わって幸せだった」
とか様々でした。
日本語では、便利な“いただきます” “ごちそうさま”という食事の時の挨拶があるから、習慣として無意識に使っている。
楽だから便利だけどその反面で、この挨拶がもしもなかったらと考えたら、こんなに感謝や食事に対して言う事が沢山あるんだなと意識できました。
みんな自然とやってる人がほとんどでした。
日本ではどうでしょうか?
英語では“いただきます” “ごちそうさま”をそのまま表現できるものがない。だから、食事の時の挨拶をどうしたらいいか自分で伝えたい事を考えたり、感謝を示す工夫がいる。
最初ホームステイしたばかりの頃は、意識的に気を配っていたけれど段々とそれ自体私の中で習慣となりました。
彼女がとても素敵なイタリアンを作ってくれている。その感想や感謝を伝える言葉を言いたいという想いが強くなった私は毎日感想を言ったりして喜んでもらおうとしました。
決まり文句がなくなったことで、その間を埋める工夫が生まれたことから感謝を言う機会が増えました。
本来は、“いただきます” “ごちそうさま”は食事に感謝を表す意味合いもあった。
でも、挨拶みたいに習慣となっていてそこに想いをのせているか確認した事はあるでしょうか?
この前、知り合いにお菓子とエスプレッソをふるまっていただきました。
私はとても美味しいものを心を込めて準備してくれたのが分かったので、
「ちゃんと丁寧にお菓子と合うものを入れてくれたんだね。幸せな感じ。すごく美味しいよ」
と何気なく無意識で言いました。
素直な感想です。
そうしたら彼女は本当に喜んでくれて、あまりそういう事は言われたことないとの事でした。
人に何かふるまっても、喜んでくれたのかどうか分かりづらい時も多いとも、、、
そういえば、日本はあんまり感謝を言わない人や伝えない人が多い気がするなあとちょっと思い出した。
感謝やお礼や気持ちは言って悪い事はないし、伝えたい時に伝えておかないと後悔する事が多いです。
食事の時の挨拶も一つの例ですが、
想いを伝える事を意識してみませんか?