ネーティブスピーカーはどれだけいるだろうか?
ネーティブスピーカーはどれだけいるだろうか?
これは、私がオーストラリアに住んでいる間に度々感じていたことだ。
オーストラリアはもちろん英語圏。共通言語は英語に設定されている。けれど、私が住んでいた場所はパースという西オーストラリア州の中心部に近かった為、英語が母国語ではない人がとても多く住み働いていた。
最初は、度々英語の聞き取りに苦労すると自分の英語力の問題なのか?と自信を失いそうにもなったが、しばらくすると多くの人に地域性の訛りがある事が分かってきた。
そしてあまり気にせず慣れるようにしようと、注意深く耳を傾けるようにしてから次第に慣れていき色々な音の癖が分かるようになってきた。
この経験から、私は英語学習中の人は綺麗で整った教材にのっているような見本の音だけに拘らず多くの音を浴びて慣れた方が良いのではないかと思う。
そんなに教材みたいに分かりやすい人ばかりではないのが現実だから。
日常生活で必要な契約をしたり、修理の人の対応をしたり、銀行で行員と話をする時にどんな英語を聴いていたかといえば、殆どの人が教科書のように聞き取りやすい音など発してはいないのが現状だった。
生の色々な種類の音を聴いていなければいないほど、多分さっぱり聞き取れず全てネーティブスピーカーの音には聞こえないそんな気がする。
しかし、そう思うのはただ様々な音に慣れていないだけの証拠。
事実として英語は、英語圏出身者だけでなく多くの人が使う。しかも、英語圏出身でも両親共に同じ英語圏地域の出身でなければそれだけで独特なその人個人の癖がつく。
なので、すごく色々な音で溢れている。
しかし結構なんとかなるもので、村根性のように同類に拘り群れている人以外は、みんな問題なくコミュニケーションできているのが事実。
ある程度心を開いて懸命に耳を傾ける人は、最初は慣れない音に戸惑っても徐々に慣れていっている。
英国や米国の一部の地域だけの音を正統としている思考が強いと、実際英語を使おうとすると全く分からなくなり困ってしまうだろう。
ネーティブスピーカーってどれだけいて、どれがネーティブスピーカーだろう?
使いこなしている人達に接して、相手をしているうちに正直どんどん分からなくなってきた。
私が学んだ会計学は、インド系、パキスタン系、中華系、たまに中東系がいた。ネーティブスピーカーは少数派の場所さえ多い。
そしてIT、エンジニアリングなども同様。
たまにいるアイルランドやスコットランド、ニュージーランド出身者は全て出す音の雰囲気が違った。
英国、米国、カナダ 大枠で捉えたとしても大きく異なっている。
コールセンターに電話すればインド系。生活でもスーパーにはマレーシア人で溢れている場所もあった。飲食業や小売店にはワーキングホリデーの非英語圏の人らが働いていた。
役所や郵便局などは、英国系もまあいるが出身地域がみんなバラバラでみんなそれぞれ特有の訛りがあった。
こういう環境を体験すれば、ネーティブスピーカーの音はどれが正解かなんて正直分からなくなってくる。
もうただ音の波に埋もれ慣れる事でしか解決策などなくなってくる。
それから私はますます英語の音マニアになった。そうならないと困ってしまう。同時に、自分の発する音にも興味を持つようにもなった。
ネーティブスピーカーのようにマスターしたいとかそんな話は、ただただ非現実で違う世界線のような気が今ではしてしまう。
日本から出たことがない人のネーティブスピーカーの喋る英語のイメージは、多分すごく狭い範囲の音のことを言っているはずと私は思っている。
しかも判別できるほど、耳が良くない人が大半。
もっといろんな種類の音を聞いて欲しいな。そう思う。
聴けば聴くほど、英語特有の音の波形が染み込んで自分にも反映されていく。そうなってこれば、少しの訛りなど問題なくなっていく。
ここを目指すのが本来の姿で、ネーティブスピーカーのようになりたいとか非現実な事を言っている場合ではないと思う。
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