私と強迫性障害③ー高校生になって
高校三年生ごろだろうか。
数年間顔を見せていなかった強迫が出現し出した。
それは多分受験に対する不安や未来に対する不安、対人関係の不安が関係している。
不安は多種多様で、多面的で、複雑だ。
それが理由もなく突然、強迫症の引き金を引くこともあるのだ。
その頃部活も引退して朝練もなかったので、家を出るのが一番最後になることが多かった。
用意が終わっても、確認に最低10分はかかった。
窓は閉まっているか、家中を駆け回って確認。
身なりが変じゃないか、指差し確認。
電気は消えているか何度も戻って声に出して確認。
水が出ていないか、何度も覗き込んで確認。
家の玄関のドアも、壊れるんじゃないかと思うくらいガチャガチャした。
そうして自転車に乗り込む頃には遅刻ギリギリ。自転車を高速で飛ばす。
ある時、加害恐怖が出てきた。
誰かを突き飛ばしたかもしれない。赤信号だったかもしれない。事故を引き起こしたのに気づいていないかもしれない。
学校に着くまでに不安が多すぎて疲れ果てることが毎日だった。
帰りは時間があるのでゆっくり自転車を漕ぐ。
そこでも加害の恐怖が襲う。
何度も信号を確認してから恐る恐る渡る。
戻って事故がないか確認する。
そんな感じで疲弊していった。けれど病気だとは思っていなかった。
知らなかったのだ。自分が変だとは思っていたけど、自分自身が信じられなくなったからだと勝手に原因を決めつけた。脳の命令に支配されているからだと考えもしていなかった。
受験とともにコロナが発生し、日本でも騒がれ始めた。その頃は確認強迫、加害恐怖くらいだったからまだ良かった。地獄はこれからだった。