映画「ペンギン・ハイウェイ」
森見登美彦さん週間です。観ました。「ペンギン・ハイウェイ」。
めちゃくちゃおもしろかったです…!!!今回も素晴らしい世界に連れて行ってもらいました。。
物語のキーであるペンギンについてはさておいて、個人的によかったところをあげていきます。
①まず、なんでも研究したがる主人公のアオヤマくんを、優しく見守り、ときにヒントを与えてくれるお父さんのふたりのやりとりが好きで、「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」を思い出しました。わたしは親からよく言えば干渉されずに育って、悪く言えばほとんどのことを教えてもらえず失敗を繰り返して育ったため、的確なアドバイスを適切なタイミングで優しく教えてくれる、尊敬できる存在がすぐそばにがいることって本当に素敵だなあと思ってしまいます。聡くなるんだろうなあアオヤマ君は。
②賢くて研究熱心で落ち着いているちょっと大人びたアオヤマ君には、仲のいいお姉さんがいる。歯医者で出会い、どういうわけか仲良くなり、カフェで週1回、チェスを教えてもらったり、研究の話をしたりしている。お姉さんはとても気さくで、美しくて、つかみどころのない大人の女性。まだ恋を知らないアオヤマ君が、だんだん自分の気持ちに気づいていく姿にも、温かい気持ちになる。小学生の頃って、大人っぽい異性に無邪気に近づいて、後から好きだったのかって思って、気まずくなっちゃうの、あるある。だけどこの頃の人を思う気持ちって、本当にキレイだなと思う。こんな恋ならまたしてみたい。
③声優さんもすごく良かった。アオヤマ君がすごくいい声で、てっきりベテランの声優さんかと思ったら、女優の北香那さんという方だった。おそらくアフレコしたのは19歳くらいと思われる。この作品以外は声優としての活動はないみたいで、僭越ながら勿体無いって思ってしまうほど。ずっと聞いていたい声でした。そしてお姉さん役は蒼井優さん。どのジャンルでもプロクオリティを発揮するさすがの蒼井優さんでした。でもちょっと蒼井優感が強めかもしれない。姉御!っていう感じの、いい女の声でした。
そしてウチダくんに釘宮理恵さん、ハマモトさん役に潘めぐみさん。「フルーツバスケット」の神羅、紅葉くんのお声が聞けてこれまたお耳が幸せ。
④音楽担当が阿部海太郎さんでした。うれしい発見です。「Cahier de musique 音楽手帖」という傑作アルバムには、NHK『京都人の密かな愉しみ』のエンディング「京都慕情」のアレンジ曲も収録されています。とてもいいですよ〜〜。2019年には村上春樹原作の舞台「神の子どもたちはみな踊る」の音楽も手がけた阿部さん。このキラキラとした、流れるような柔らかな音づくりが、「ペンギン・ハイウェイ」にもぴったりでしたね。
⑤やっぱりヒッキーが来るのねーと(涙)いいアニメに宇多田ヒカルあり。「Good Night」は「初恋」というアルバムに入っていて、アルバムの中でもかなり気に入っている曲だったんですが、この映画の主題歌というのはまったく知りませんでした。「ああ 愉しげに ふ、ふ、ふ、埃が舞う」「夢の中に誰も招待しないキミ」「この頃の僕を語らせておくれよ この頃の僕を、この頃の僕を」…言葉の少ない曲ですけど、妙に心に残ります(アルバムだとこの次が「こ〜りゃなんだ、コリアンダー!」と始まり気が抜ける。笑)ヒッキー主題歌担当作品をアニメ・映画問わず片っ端から観ていきたくなりました。
漫画もあるのですねー。これは読みたいなあ…
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