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10月の手紙

いつもの席に座ると
コーヒーの香りがして

窓の外に
わたしの外に
一瞬が
にぎやかに
静かに
美しく

ひとつ ひとつ
過ぎて行きます

一心に巣を張り直す蜘蛛
ツバメのいなくなった空
ぽとん。

地面にたどり着いたコナラの実

コーヒーカップから漂う湯気の白

コーヒーの中に
この一瞬に
わたしは
はかなく 
透明に
混ざり合い

ひとつ ひとつ
過ごしています

2023年10月・みいふう書翰便より

詩は2011年10月に
コーヒー月間のために書いたものです。

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