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ミュージカル『ナイツ・テイル ー騎士物語ー』〜観劇レポート〜

先日観劇してきました
ミュージカル『ナイツ・テイル ー騎士物語ー』の観劇レポートです。

※若干のネタバレも含まれておりますので、ご注意ください。

◆感想ハイライト

一幕はザ・シェイクスピア感満載、二幕は一気に喜劇(コメディ)
ただし、好みはきっと分かれるかも・・・!?
結局愛さえあれば~真面目にみると少々バカらしくなる作品(笑)
<おすすめ度:★★★☆☆>

◆作品情報

脚本/演出: ジョン・ケアード
作詞/作曲: ポール・ゴードン
日本語脚本・歌詞: 今井麻緒子
原作: ジョヴァンニ・ボッカッチョ[Teseida]、
            ジェフリー・チョーサー[騎士の物語]、
            ジョン・フレッチャー/ウィリアム・シェイクスピア
           [二人の貴公子]
公演期間:2021年10月6日(水)~11月7日(日)
公演劇場:帝国劇場(東京)

主要キャスト
 アーサイト:堂本光一
 パラモン:井上芳雄
 エミーリア:音月桂
 牢番の娘:上白石萌音
 ヒポリタ:島田歌穂
 シーシアス:岸祐二
 ジェロルド:大澄賢也

公演サイト:https://www.tohostage.com/kt2021/

◆あらすじ

テーベの騎士で従兄弟同士のアーサイト(堂本光一)とパラモン(井上芳雄)。2人は厚い友情を誓い合い、騎士としての誇りと名誉を何よりも大切に生きていた。戦争により敵国アテネの大公シーシアス(岸祐二)に捕虜として捕えられるも互いに励まし合いながら同じ牢獄で過ごしていた2人は、ある日シーシアスの美しき妹・エミーリア(音月桂)を牢獄の窓から見掛け、同時に恋に落ちてしまう。だが、アーサイトは追放され、テーベに戻るよう命じられる。アーサイトは、残ったパラモンがエミーリアに近づくのではないかと、一方パラモンは、祖国に戻ったアーサイトが兵を率いて攻め入りエミーリアを奪うのではないかと、互いに敵愾心を抱きながら、愛するエミーリアを必ず手に入れると決心し道を違えて行く。

テーベへ戻る道中で、アーサイトは森の楽団を率いるダンス指導者ジェロルド(大澄賢也)に出会う。エミーリアの誕生祝賀の稽古をしている一座に名を偽りダンサーとして加わった彼は、再びエミーリアに出会うチャンスを得る。その頃パラモンは、食事の世話をしてくれる牢番の娘(上白石萌音)の手引きにより牢獄を脱出する。牢番の娘は脱獄という危険を冒すほどパラモンを愛していたが、ふとした瞬間にパラモンが去ってしまい、ショックのあまり正気を失ってしまう。

エミーリアに再会したアーサイトは、シーシアスが愛するヒポリタ(島田歌穂)の計らいも有り周囲には正体を隠して彼女に仕えることになったが、シーシアスやエミーリア達と狩猟に出かけた森で、無二の友であり今や恋敵となったパラモンと出会う。

艱難辛苦を経て再会した2人は、どちらがエミーリアを得るにふさわしいか男か、愛と名誉そして生死を賭けて決闘を挑むのだった―。

※ミュージカル『ナイツ・テイル ー騎士物語ー』2018年公演サイトより引用
https://www.tohostage.com/kt2018/index.html

◆観劇を終えて。。。

2018年のプレビュー公演以来のナイツテイルです。
なんか2018年の時よりいろいろと変わってる?って感じました。まぁ、前回が世界初演&プレビュー公演だった「翌日から楽曲増やすってさっき言われた」なんてこともありましたし、そもそも記憶がもう曖昧なので覚えていないだけかもしれませんが・・・!

「overtureから始まるのってやっぱいいよね・・・」
ちょっとナイツテイルの感想って感じではないですけど(笑)始まりがオケによるovertureから始まるのっていいですよね。これからこんな感じで物語進んでいきますよ感を感じられますし、なんかストーリーに入る前の入口として観客も気持ちを作れます。2~3分だとは思いますが、現実世界から物語の世界へのスイッチングする時間があるので、いざストーリーが始まってもスッと世界観に入れる感じがして、私は好きです。

「堂本光一さんと井上芳雄さん」
堂本光一さんと井上芳雄さん、アイドル界のトップスターとミュージカル界のトップスターの共演!として注目を集めている本作ですが。このお二人のコンビはすごくいいですね!声質がすごくマッチしているなと思いました。
正直(辛口です)、光一さんソロシーンでの歌い方は、ミュージカルとしてはいかがなものかと思う部分もあります。ミュージカル作品にとって歌唱はセリフ。音楽として成り立たせるのはもちろんですが、何を伝えたいのか言葉もはっきり伝えられないと成立しないと思っています。その点、光一さん歌い方はアーティストであり、声の響きも少ないので歌詞が聞き取りづらいです。一方、芳雄さんは独特な歌い方だな~と個人的には思いますけど、言葉ひとつひとつがはっきりと発音されているので、とても聞き取りやすく、声もすごく響きます。そんなまったく声質も歌い方も違うお二人ですが、お二人で歌うと、あら不思議!なんて素敵なハーモニーなんでしょうか。。。芳雄さんの少しまろやかすぎる声を光一さんの鋭い声で補われている感じがあり、畑は違うけどお二人とも経験豊富ですから、、、ハモリについてもさすがでした!歌唱について、光一さんを酷評みたいにしてしまいましたが(苦笑)、、、殺陣のシーンは光一さんが際立って素晴らしかったです!緩急のつけ方とか、型が決まっているというか、さすがSHOCKですごいシーンを演じられているだけある!とは思いました。(※Endless SHOCKは好きで何度も見てます)

「女性目線での切ない&感動シーン」
ナイツテイル、見終わった後に思うことは前回、今回ともに同じでした。『男って本当バカよね~(笑)』基本的にすべては男たちの思い上がりというか、自分勝手な思い込み、女性の気持ちなんて丸無視で事が進んでいくので、本当くだらない!って思うのですが(笑)女性役にスポットを当てて観ると切なかったり、感動したりするシーンがあるんですよね。
囚人となったパラモンに恋する、牢番の娘。<私は、あなたの召使い>って自分で線引きしちゃって、それが結果として自分を苦しめちゃう感じとか切なくてグッときちゃいました。でも、18年の時は、二幕以降、自我を取り戻すまでの牢番の娘ってすごく闇が深くて闇落ち感をすごく感じたけれど、21年版はなんかあまり闇落ち度がなかったような気はしました。。。(演出なの違いなのか、演技の違いなのか不明ですが)
あとはエミーリアの親友フラビーナが、牢番の娘と判明するシーンとかちょっと時間がなくて無理やり感を感じちゃう演出ではありましたが、二人が心の絆を確かめ合うように歌うシーンは本当に素敵でした。そしてエミーリア役の音月さん!なんと多分、本当にぽろぽろと大粒の涙を流してらっしゃって・・・(TT)

「ヒポリタ様が一番好きです!」
前回の記憶が全くなかったヒポリタですが、、、なんて素敵な役なの!前回の記憶がないので、勝手に悪女的な立ち位置かと思い込んでしまっていましたが、義理妹のよき相談相手であったり、男たちの勝手すぎる思い込みを正そうと、奮闘するお姿。女神に見えました。とにもかくにもヒポリタ様が素敵なの!!!ってことをお伝えします。

「セットや演奏が面白い」
ナイツテイルの面白みの要素の1つが舞台セットです。帝劇のような大きな箱での作品は割とセットも豪華だったり、セット転換などもあるような作品が多い印象ですが、ナイツテイルは大きなセット転換はありません。全体的に舞台上がちょっと斜めになっているのと、後方には扇型のセットと左右には階段があるのみ。扇型のセットによじ登ったり、舞台上の回転や照明、小道具でうまく情景の移り替わりを演出したりしています。セット転換がなくてもしっかり情景が変わる工夫があるのがすごいなと思いました。
あと演奏ですね。オケピにはオーケストラが、扇型のセットには三味線や篠笛、和太鼓などの和楽器部隊がいます。古典音楽のような曲調のものもあれば、ロックやポップのような曲調もあり、演奏だけではないのですが、西洋的な要素と日本伝統文化的な要素の融合が面白かったです。そして、どちらかに偏りわけでもなく、変に浮き出るわけでもなく、きちんとしっかり一体感があるのが素晴らしかったです。

◆マイベストポイント:観客を楽しませる工夫

本編の見どころシーンもいいのですが、今回私があえてお伝えしたいのは・・・本編前の演出(と言っていいかわからないけど)です!
まず、開演5分前のチャイム。ナイツテイルオリジナルのチャイムです♪そして開演前の諸注意アナウンスは、シーシアス役の岸祐二さんがされています!岸さんのアナウンスでお客さんが、注意事項の案内をしっかり聞いてるご様子。素晴らしい!!!(本当、最近マナー悪い人&わからない人多いので・・・)ちょっとした演出ですが、幕が上がる前から観客の心をつかみ、楽しませる工夫は素晴らしいなと思いました!

笑いあり、涙あり、アクションあり、そして最後は愛が勝つ!(笑)
ちょっとシリアスで、でも、ちょっとくだらない(笑)
でもなんだかんだ終わり良ければ総て良しだよね(笑)
と思った作品でした。

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