【My Story#11】人生を変えたボストン・ノート
休職中、自分が情熱を持てることを探して、いろいろな本を読みました。その結果、産業心理や人材開発、人材育成などに関することに興味があることがわかってきました。
三つ子の魂百までとはよく言ったものです。幼稚園の頃、「はたらくおじさん」が好きだったこと、小学校の頃、学校の先生になりたいと思ったこと、高校生の時の進路指導で人に関わる仕事をしたいと書いたこと、大学生の時、家庭教師のバイトや教育実習が楽しかったことなどがつながってきました。
渋谷の伊東屋でボストン・ノートを買いました。ページの真ん中にタテ線を引き、左側に自分が持っているもの、右側に自分が持っていないものを、思いつくままにどんどん書き出しました。左側はすぐにいっぱいになりましたが、右側はほとんど出てきませんでした。
左側には、物理的な所有物やお金のことだけではなく、健康、性格、得意なこと、仕事で得たスキル、両親のこと、友達のことなど、無形のものを思いつく限り、たくさん書きました。
そして、
「私は必要なものを全部持っている。すごく恵まれている。なりたければ、なににだってなれる。医師にだって弁護士にだってなれる。なれないものは、アイドル歌手くらいだ!」
という結論を書きました。(笑)
つまり、人生を変えられるかどうかは、自分の覚悟の問題だけだということが、腑に落ちてハッキリとわかったのです。
医師から投げかけられた「なぜ無理なんですか?」という問いの答えは、
自分で無理だと決めているから。
今持っているものを失うのが怖いから。
うまくいかない理由を並べて言い訳すれば、行動しなくていいから。
でした。
次のページに、またタテ線をひき、左に手に入れたいものを書き、右に嫌いなもの、いやなことを書きました。今度は左右ともに、たくさん出てきました。
左側に書いた、主なものはこうでした。
時間に余裕がある
旅する時間とお金
英語がペラペラ
年収1200万円
目の前が開けた、快適な場所に住む
満員電車に乗らない、通勤が片道30分以内
社会人教育、大人の成長に関わる仕事
人に喜ばれることをする
誰かの役に立っていることが、直接はっきりわかる仕事
右側に書いたのは、こうでした。
時間にしばられる
場所にしばられる
誰かに命令される、強制される
いつもお金の心配をする
嫌なことや無意味なことを、ずっとやらなくてはいけない
嫌いな人と働く
このタイミングで、会社を辞めてキャリアを「人の成長に関すること」に変えなければ、死ぬときに絶対に後悔するだろう ということが、はっきりしました。
休職から復帰してすぐに、退職の意思を上司に伝えました。
それまでの人生で一番大きな、コンフォートゾーン脱出を決めたのです。