効能たっぷりの大根を2つの食感で楽しむ 焼き目大根 #日本料理×薬膳
素朴な大根の甘みを感じられる焼き目大根とたれのうま味を含んだ大根おろし、2つの食感と味わいを楽しめます。あっさりヘルシーな一品です。
【作り方】
<材料 5人分>
大根 3/4本
豚ばら肉(薄切り) 100g
舞茸 60g
青葱 1/2束
胡麻油(焙煎) 15ml
サラダ油 15ml
塩 適量
【たれ】
煮酒 30ml
濃口醤油 30ml
① 大根は葉を落とし、真ん中の形の良い部分は皮をむき、1cm厚さの半月切りにして隠し包丁を入れる。残りの大根は皮付きのまますりおろす。巻きすに挟んで水分を適度にきる。
② 豚ばら肉は3cm幅に切る
③ 舞茸は石づきをとり、適当な大きさの房に分ける。水で洗い、水気をとる。
④ 青葱は小口から細かく刻む。
⑤ フライパンに火をかけて熱し、胡麻油とサラダ油を入れる。半月に切った大根を加え、両面に焼き色がついて、串がやっと通るくらいまで焼く。大根を取り出しバッドに移す。
⑥ 酒は煮立ててアルコール分をとばしておく。濃口醤油を合わせ、たれを作る。
⑦ ⑤の大根を蒸し器に入れて温める。
⑧ フライパンを火にかけて蒸し、サラダ油(分量外)を入れ、②の豚肉と③の舞茸を炒めて塩をする。④の荒い葱と①の大根おろし、⑥のたれを加えてからめる。
⑨ 器に⑦大根を盛り付け、上から炒めた⑧をかける。
【料理のポイント】
大根は、葉に近い部分が甘く、先端部分が辛くなります。今回は、真ん中の形のよい部分を半月切りに使い、それ以外をおろします。
真ん中部分
・皮をむき、1cm幅の半月切りにして隠し包丁を入れます。隠し包丁は、半月の形のちょうど真ん中に大根の厚みの半分くらいまで包丁を入れます。こうすることで火が通りやすくなります。
・焼くときは、隠し包丁を入れていない面から焼くとやりやすいです。両面に焼き色をつけますが、火を通しすぎないように注意しましょう。串がやっと通るくらいのちょっと「固いかな」というくらい、横から見ると「大根の真ん中がまだ白っぽいかな」というくらいが大根のよさもわかり、ちょうどよいです。
・焼いた大根は盛り付け前に蒸し器で温めるか、冷めないように湯を沸かした鍋の上に水がかからないよう注意しながらバットを置いておくなどして冷めないようにします。大根が大きければ、盛り付けするときに隠し包丁を入れたところで半分に切ります。
葉に近い部分、先端部分
・大根をおろすときは「鬼おろし」を使うと、水分が出ずにシャリシャリして、空気を含んでふわっとしておいしくなります。熱がこもらないので、素材の旨みを生かせます。
【中医・薬膳から】
大根は気を巡らせ、胃腸の働きをよくし、消化を促します。また、体内の毒素を分解することができるので、デトックス食材として使われることも多いです。また、大根は肺を潤し、咳を止め、痰の出をよくしてくれるので、空気が乾燥する秋冬には風邪予防や風邪薬として役立ちます。
消化の働きを期待すると生で食したほうがよいのですが、大根は涼性とされており体を冷やしてしまうので、冷え性の人は火を通すことで涼性を和らげてから食するようにしましょう。
【最後に】
あまり栄養がなさそうに思われがちですが、大根にはうれしい効能がたくさんあります。大根には抗菌作用があるほか、胆石形成を予防する効果やガン予防作用があることもわかっています。
のどの痛みには、大根を角切りにしたものに蜂蜜をかけ3時間ほど待つと出てくるエキスを飲む「はちみつ大根」はわりとよく知られています。3時間も待てない場合は大根おろしに蜂蜜をかけてそのまま飲んでもよいですし、蜂蜜がなければ大根だけでもよいと思います。
今回の料理「焼き目大根」で大根をおろすとき、普通のおろし金でもよいですが、おすすめは「鬼おろし」です。竹製の粗い歯がついた「鬼おろし」で大根をおろすと、粗くおろすため水分が出にくく、シャキシャキでありながら空気を含んだふわふわした食感を楽しむことができます。栄養や食物繊維も損なわれにくいのもうれしいですね。
私は調理学校の授業で「鬼おろし」を使った料理を習ってから、「鬼おろし」がずっと気になっていました。そしてついに「焼き目大根」を家で作ろうと思ったのを機に購入し、大変満足しています。多めの大根でもすぐにおろせるので楽ですし、気軽にたくさん大根を食べることができます。ひとつあると重宝すると思います。
この冬、効能たっぷりの旬の大根をたくさん食べてみてはいかがでしょうか。
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