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家業に戻り感じている、地方の小さなお店の生き残り方

三保原屋本店は静岡の家庭用品専門店。創業は1687年といわれています。
静岡の呉服町商店街という駅前商店街に立地しており、キッチン雑貨・陶器・洋服・服飾・インテリアなどを取り扱っています。

2023年もゴールデンウイークが終わり、ここから三保原屋本店としてもイベントが続く期間です。

このゴールデンウイークで嬉しかったのは、ご結婚で静岡に引っ越してこられた方から「地方にこういったお店はないと思っていたので、嬉しかった!」と言って頂けたことでした。


【地方の良さ】

三保原屋本店に限らず、地方のお店は「地域のお客様」に支えていただいています。

簡単に言えば
●お客様の顔が分かり
●地域のニーズがなんとなくわかる

ということ。

大都市圏に比べて人の出入りが少ないので、お客様が定着していただけるのですが、以下のように「同じお客様に継続的に満足していただく」必要がある難しさもあります。

【地方の難しさ】

大都市圏との比較になると思いますが
●客数そのものが大都市圏に比べて限られること
●「より生活に密着したもの」が必要とされること
●トレンドはあるものの、ブームに乗じた商売は難しいこと

などがあると感じています。

そのため、小さなことでも、ちゃんと腰を据えて、粘り強く力をつけていった方が成果がでますが、とても時間がかかる印象です。

【地方での生き残り方】

「イベントについて」

三保原屋本店は、決してカッコよいお店ではありません。入口から生活感満載ですが、現在は20代~80代の男女のお客様がご利用いただいています。

私たちは、出来る限り接客をして販売をしており、スタッフの1人1人が商品仕入れに関わっています。
また、スタッフさんがみんな商品知識を一生懸命勉強してくれています。

そんな点を評価いただき、最近、様々なメーカーさんとの継続的なイベントが増えてきて、お客様も増えてきました。

「2023年の上期イベント」

●伊賀の土鍋メーカー「長谷園」の実演イベント
●秋田大館曲げわっぱメーカー「栗久」の実演イベント、メンテナンス会
●お洋服メーカー「cotton house aya」販売イベント
●石見銀山「群言堂」のお洋服など販売イベント
●鉄フライパン「リバーライト」実演イベント(6月予定)
●今治タオルメーカー「IKEUCHI ORGANIC」タオルケットイベント(6月予定)
「傘ソムリエ土屋さん」との店頭イベント(6月予定)
などなど。

2023年イベントのインスタライブ情報はこちら↓↓

担当スタッフさんは複数名いますが、様々なジャンルでの知識や経験が必要になります。

「ただイベントが増えればよいわけではなく・・」

地道で継続的な販売による
●お客様との関係性
●スタッフの商品知識や愛着
●メーカーさんとの関係性

がなければ、イベントは単発的なものになってしまいます。
何事にも言えることかもしれませんが「続けること」がとても大切で大変です。

そして、それらの仕事はお店の現場にいるスタッフさんがしてくれているのが、本当に三保原屋本店の強みだと思います。
(スタッフさんも人間なので完璧とは言えないこともあるかと思いますが、とても粘り強くやってくれています。)

【メーカーさんから見た地方のマーケット】

「メーカーさんと地方のマーケット」

今の時代、多くのメーカーさんが公式通販をインターネットでひらいています。

お客様も
●ネットでも信頼性の高い買い物をしたい
●正当な作り手さんは評価されるべき
と感じている方も多くいらっしゃいます。
地方でもインターネットで買えないものはないと言っても、過言ではありません。

「それでも地方には手が回りにくい」

それでも商品について詳しくなれば詳しくなるほど
●現物を見てみたい(大きさ・重さ・テイスト)
●他の商品と相対的に比較してみたい
●買ったあとのメンテナンスがちょっと不安で相談したい

というお声を多く伺います。

地方のお店の存在意義はここにあると思っています。
(特に三保原屋本店のようにオリジナル商品の少ない小売店。)


そして、今後、その存在意義は社会が便利になればなるほど、際立つと思っています。

【ちゃんとしたものを売っていく】

たとえば外部のコンサルの方などが
「ちゃんとしたものを売っていきましょう」
と言うこと自体はとても正しいですし、中小企業にとっては、その方法しかないとは思います。(値段が高い・安いではなく、品質がしっかりしている。)

一方で、実際のお客様のニーズを掘り起こして、スタッフさんが商品に詳しくなって、メーカーさんとの関係性を構築して・・と、、
現場は本当に手のかかる仕事を継続し続けなければなりません。

効率化が最大限に求められる社会で、ここに時間と労力をどれだけかけることが出来るか??が、大切になり、それは会社の外部では出来ないことです。

【今年もイベントが続きます】

三保原屋本店は幸い、このような良いイベントを実施して、実際に販売することが出来ていますが、コロナ前はセール比率の高い時期もありました。
このあたりのことは、またnoteにまとめておこうと思います。

少しずつ利用者が減少する地方商店街ですが、2023年も色々なイベントをお客様と、お店スタッフと一緒に楽しんでいきたいと思っています。

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