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鰹節を販売している理由

三保原屋本店は静岡駅前「呉服町商店街」にある家庭用品専門店です。創業は1687年。2022年で創業335年になります。

三保原屋本店の店頭は家庭用品店ですが、鰹節も販売しています。
私たちも当初から扱っていたわけではないのですが、2019年頃から扱うようになりました。

年末が近くなってきたので、よく売れる、美味しい鰹節の話をnoteに記載します。

扱い始めた理由

最初はお客様のお声から

店頭では鰹節削り(カンナ)も販売しています

最初はお客様のお声からでした。

「近くにあった乾物屋さんが廃業した。三保原屋さんは鰹節削り器を売っているから、鰹節(削っていないもの)も売って欲しい。」
というお声を店頭で何回か伺いました。

悩み

正直なところ、
●どんな鰹節をやればいいのか
●三保原屋で安定して売れるのか。
●なによりも、美味しい鰹節メーカーはどこなのか。。

想像が出来ずに、何もできずにいましたが、美味しい鰹節メーカーさんは少しずつ探し始めました。

そして、その後、少しずつ同じような「鰹節を扱ってほしい」というお声が少しずつ増えていきました。

どんな鰹節を扱うか

焼津で一番小さな鰹節メーカー「やまじゅう」さん

三保原屋本店で扱っている鰹節は、焼津でも一番小さなメーカーさんの「やまじゅう」さん。

昔ながらの手火山造りという製法で作られています。
取扱いを決める前に工場にも伺い、お話も沢山聞かせてもらいました。

最後は、自分でも実際に食べてみて、やまじゅうさんの鰹節を扱おう!と思いました。

継続的な販売が続き、
「削った状態になっている鰹節も売って欲しい」というお客様のお声にこたえて、今現在は3種類の削っている鰹節も販売しています。

古くて新しい鰹節という文化

実際に鰹節を取り扱ってみたり、イベントで削りたてをお客様にご試食いただくと・・
60代以上のお客様からは
「食事前の子供の仕事が鰹節削りだったよ」
「最後のかけらになったら、ご褒美としてもらえたので、ちゅーちゅーと吸ってたよ」
「削りたてが一番美味しいよね」
と、懐かしむ声を多くいただきました。

一方で20~40代のお客様からは
「おばあちゃんちにあった!」
「どうやって削るの?」
「節っていくらくらいするの??」

という”逆に新しい”といったお声をいただきます。

また、子育てをされている方には、教育的な意味で鰹節をお子さんに説明したいと思う方もいらっしゃるようです。

削っている状態のものも販売しています


近年、世代を超えて受け継がれていたものが軽視され、便利が優先されたり、過度な情報社会によって途切れそうになっているような気がします。
生活が便利になること自体は嬉しいことですが、便利になりすぎると、楽しさが失われてしまう瞬間もあります。

「鰹節を使うということ」は、【時間を使うという意味では贅沢】なのかもしれませんが、【昔は普通に行われていたこと】と思うと、決して特別なものではないとも言えます。

三保原屋との相性の良さ

和帚や千寿鍋なども販売しています

●「古くて新しくて、やっぱりよいもの」
●大手さんと、中小企業の役割の違いが分かるもの
●少し体験・話ができる場所(モノ)
●従来から取り扱っている商品との相性の良さ
から、鰹節と三保原屋本店は鰹節と相性がとても良いことが分かりました。

やはり情報は直接伝えたい

コロナ渦では状況をみながら、年に1~2回ほど、店頭で削りたてを試食したり、お出汁を飲んでいただくイベントを開催しております。

削り方から、鰹節削り器のメンテナンスまで、いろいろとお話ができる、とても楽しい時間です。

プレゼントに鰹節削り

先日は、お客様がプレゼントとして、【鰹節削り器と、鰹節のセット】を包装させていただきました。
別の客様で、「お孫さんが鰹節にハマったので、、」とプレゼントに選んでいただいたこともあります。

美味しそうな鰹節を探すのは大変

また、先日、店頭でお話をした方は
「県外の方にお世話になったお礼にと、美味しそうな鰹節を静岡市内で2日間かけて探して、最後は三保原屋で買うこととした。」
と仰っていました。

美味しい理由

なんで、「やまじゅうさんの鰹節が美味しいか」は出来れば直接お伝えしたいところですが、別途noteに記載したいと思います。
更にタイミングを見て「鰹節削りの選び方」も別の機会にnoteにあげたいと思います。

なくなりつつある商店街の機能

冒頭でふれたように、鰹節を扱い始めたのは「商店街の乾物屋さんが減ってきたから」です。
同じように、静岡の呉服町商店街では、本屋さんや、一本入った道にあった八百屋さんなどが減りつつあります。

世の中が変わり昔からあったものが淘汰されるのは当然なのかもしれません。便利な生活によるメリットも沢山あります。

こんな時代の流れではありますが、今後とも、三保原屋本店では商店街の機能として、家庭用品を扱い続けていきたいと思っています。

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