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考える余地と、解釈から見る課題

取材先で文字のない絵本を読んで、勝手に浮かんだストーリーがある。

この記事に出てくる「サルくんとお月さま」。大きな絵だけが書いてあり、パラパラめくれば一瞬で見終えてしまうものだ。

「どんな話だと思いますか?」と聞かれ、2回ほど本を往復したあと、浮かんできたストーリーは少し自分に似ていた。

サルくんは、自分にできることは何だろうっていつも考えてたんだと思います。アリはみんなで食べ物を巣に運ぶ。どんな生き物にもできることややるべきことがあるのに、サルくんは自分にできることが見つからなかった。そんな時、空から落ちてしまったお月さまに出会いました。空に戻れず泣いているお月さまを背負い、この辺で一番高い木に登っていく。登りながら、サルくんはどんどん安心していく。『あぁ、ボクにもできることがやっと見つかったんだ』って。お月さまを無事空へ戻すと、サルくんはちょっとスッキリした気持ちになった。自分にできることを見つけて、ようやく自信が持てるような気がしたのだった。

文字のない絵本には、自分の解釈が大きく反映されていた。自分にできることがわからなくて悩んでいるサルくんは、まるで私のよう。そして自信が持てる出来事は、理想としているあり方だ。きっと今の自分に一番近いトピックや、どうありたいかが反映されたのだろうなと思う。

最近、映画「グリーンブック」を見た時も同じようなメッセージを感じた。人種差別を超えた友情を描いているにも関わらず、私が強く受けたメッセージは「仕事の成功と、人間としての価値について」だった。

どんなに仕事で成功して、認められて、大きな拍手をもらっても、仕事を少し離れるとそこには、スターとは思えない差別があった。大きな成功もしょせん「仕事において」なだけで、自分とは全く切り離された価値になってしまうのだ。どんなに仕事で認められても、私という人間が認められたわけではない。

だからこそ、自分がどんな職種でも認めてくれる存在がいると、自分がいる意味を見出せるし自信につながる。

自分の中で課題を抱えていたり、疑問をもっていたりすると、無意識にその答えを求め始めるのかもしれない。起きている時はずっとその気持ちが動いていて、映画を見たり、本を読んだりするうちに、自分にとって都合のよい解釈をするのだろう。逆に、何か疑問をもって接していなければ、触れたものから何かを得ることは難しいとも言える。

私の解釈は、私の課題。色々な作品に触れれば、何を課題と思って、どんなことを考えているかが、その作品の感想を通して理解できるような気がした。


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