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古本の魅力

最近の日曜日の過ごし方が好きだ。朝のんびり起きて、簡単な家事や部屋のかたずけをして、お昼ご飯を食べて、ピラティス。仕事ややりたいことがあるときはピラティス前後でカフェに行く。夜は早めにお風呂に浸かって、映画を見たり、本を読んだり。

今日はピラティスの後カフェに行って、本を読んだ。メルカリで買った、表紙に少し折れ目のあった本。読んでいると、ところどころに鉛筆で線が書いている場所が出てきた。恐らく前の持ち主の、心に残った文章なのだろう。

「表紙に少し折れ目がありますが、中はきれいです」と書かれていたので購入したのだけれど、まさか線の跡があったとは。多分人によっては「だまされた」と思う人もいるかもしれない。けれどその線があるからこそ、中古で買った良さがあるような気がしてきた。

古本を買う目的を考えると、第一に「値段」が来る。定価よりも安くなっていて、買いやすい。それに加え最近は、「もともと持っていた人の思いが乗っている」ことに魅力を感じ始めた。ツドイ文庫に行ってから、古本の魅力がそこにあるような気がしている。

内容が気になって手に取った人がいて、1度読んだけれど、何かの理由で手放す必要がでた。「どうして気になったのか・どんな本だったのか・なんで手放すのか」。そのストーリーとセットで送る古本は、持ち主の主観をいっぱいに浴びて存在する、新品にはない良さがあるように思う。

古本でも新品に近いもの、読み込まれていないものをついほしくなってしまう。もちろんコーヒーがこぼれて文字が読みずらいとか、破けて内容がわからないとかでは良くないが、「感動したところに線が書いてある」や、「泣きながら読んで一部紙がふやけてしまった」なんていう注釈付きの古本なら、喜んで買いたいなぁと、引かれている線の文章を読みながら、そんなことを考えた。

ちなみに前の持ち主が線を引いていたところはここ。

自分を好きでいたい。嫌いになりたくない。生まれてきて良かったって、いい人生だなって思って死にたい。納得がいくように生きたい。そういう手応えを掴んでいきたいなって。
(『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』)

この人は今、納得いく手応えを掴んで生きているだろうか。顔もわからない人に、なんだか思いを馳せたくなった。

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もりやみほ
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