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つねづね張っておいたアンテナでキャッチしていた言葉に救われた話し


今思えば…
事の発端は、生ごみコンポストバケツを
ノアの車内で倒したところから始まったのだ。

こまめに第二コムハウス製のボカシをふりかけていたので キッチンに置いておいても臭わなかったが、
汁は別物だった。。

最近は農具も運ぶのでピクニックシートを敷いていたのに、ブレーキで倒れて運悪く シートの端を越えてノアの床に汁は吸い込まれていった。

五月晴れの心地よい気温の室内では
吐瀉物に似た臭いが蔓延して耐えられず、
直帰してゴシゴシ拭いたが取れるはずもなく。。

覚悟を決めて湿っている床材を剥がしてバスルームに広げ、シャワーをかけながら踏み踏みしたのち 尿臭にも効くという洗剤をかけて洗った。

なのにおかしい。
車内は残り香ではなくまだ汁そのものの臭いがする。
床材の下のフェルトを拭いたりファブリーズ振ったり悪戦苦闘

そんなことしている間にタイムアウト。

せめて家の用事らしいことをしておこうと
税金をまとめて窓口で払った。

そして夜。

夫はにおいに敏感、いや過敏傾向があり、ノアのニオイのこと、どう切り出そうか頭の中はグルグルしていた。

ここ最近は穏やかに過ごしている夫、帰宅しての開口一番が「で、そろそろ自動車税の通知来た?」

あーー
💦💦そうだった!!

夫は冬に新車を注文したところが 
の、
コロナやら世界のガタガタで納車が遅れに遅れており、
車検前に買い替えようとしたのにもかかわらず
車検も通したり
自動車税も
支払わないでディーラーに渡すから届いたらちょうだい と数十日前に
言われていたんだった!

もう取り繕うことも出来ず
Σ(゚д゚lll)「あーー」
と叫んでしまう。
それもそれ、今日払ったのだもの。

夫からしたら「オレ、言ったよなあ!」
だよね。。
そりゃそうです。

外部に迷惑をかけることに すごい嫌悪を持っている 社会性の高い夫、久しぶりに感情的になっている姿を見せた。
金銭やら緊張感の有無やらあらゆるアングルで言われたのだけど 内容省略。。
そして「そんな時はなんというんだ。まず謝るんだろうが!」
すかさず
「すみませんでした!」
と返した。

「ディーラーには私が行って説明します」
「ああ。そうしてくれ。」

いや
でも私の頭の中は、生ごみの汁の方が深刻だった。だってその時点で充満していて臭いが解決する兆しもなかったのだから。

あーそれも二件ともクルマ関連。
記憶にある方もいると思うけど、
私 JAFをすでに3回利用してるんです。

側溝の尖った端でパンク
埋もれた側溝に脱輪
路肩に寄り過ぎて走行不能

汁の件、それでもこの場で言いました。
夫直ぐにノアのドアを開けて臭い確認。
油に火ですよ。。

「もう、、 もっと車を大切に使ってくれないかなあ。この前は脱輪してるし。」

くっきり覚えてらした

「失敗しようと思ってしてませんよ。
失敗はあるものですよ。そのためのJAFですよ」
「俺は失敗しない!」
「言いきれるんですか?」
「JAFも使ったことない」
「これから使うかもしれません」
「俺は失敗しない」

まぁ、この辺で 直接のやりとりは終わったのだが。

私が作った夕飯に手もつけず自室にこもった夫。
怒りの感情をモロぶつけられた私。
独りになってからフツフツと
別の感情 
どす黒い炎のような感情にさいなまれ始めた

(あいつ言いきったな?
よしわかった。
あいつがこの先 なにか失敗したら『それみろ!』って 絶対言ってやる!)
って

その瞬間…
私の記憶のジュークボックスが、ある曲にレコード針をおろした。そしてあるフレーズが流れてきた。


憎み合いの果てに
何が生まれるの 
わたし
わたしが先に 
忘れよう

藤井風の『帰ろう』の歌詞が身体中を流れたのだ。
冬中スキーの行き帰り、運転中は必ず流していた藤井風のアルバム
…ではあったが。


藤井風の歌詞ってノストラダムスの予言書に似ている。
何か具体的な状況説明や場面設定はない。
歌詞だけ読むと、あちこち場面や視点が飛んで、時系列・ストーリーのような一貫性はない。

だが
いや だからこそ
具体的でない分、
逆に聞き手の解釈・聞いてる時の心情で、言葉をピックアップできるのだと思った。

『帰ろう』も、
恋愛のようでもあり、
月と太陽みたいな陰陽的 対照的存在の話のようでもあり、
完璧の象徴である神の中の脆弱性を吐露したようなところもあるし、
死にゆく時とも言えなくもないし
今の世情を写しているのかもしれないし。

そして わたしには先ほどのフレーズが降りてきたのだ。

仕返ししてスッキリしたいんじゃない
コトをおさめてスッキリしたいんだ。
そう気づかせてくれた。

翌朝
言いたいだけ言って感情の発露をしきったからか、夫は穏やかで言葉も優しかった。
「もうディーラーが開く時間だろう。行った方がいいんじゃないか?」
「それでは行ってきます」

支払い関係に関しては私には心配はなかった。一般市民を相手に商いしているプロが、そんな天然客のヘマ時のノウハウがないわけがないじゃないかと。
やはり対応してくれた。(もちろん手数はひと手間かけてしまうのだが モウシワケナイ💦)

それよか臭い対策の、プロのノウハウの方を聞きに行きたかったのだ。

ディーラーさんに現状を見てもらう。そして臭いまで嗅いでもらった。
(仕事とは言えご苦労さまでございます。)
洗ったシートにもまだ残っているとの指摘。
方法も、どうしてもとなったら依頼可能かとか金銭的にも松竹梅的にいくつかアドバイスをもらい
帰宅して
再度風呂場でフミフミ洗いをしたのち
もう一度車内の床に鼻をこすりつけんばかりにクンクンと嗅ぎ
ちょうど境い目の前部シートにも汁がかかっていると判断、そちらもベリベリ外してフミフミ洗った。

いやーやりました。今はほぼ感じないほどに挽回している。機会があったら貴方も乗せてあげますよ、ノアに(笑)

いやいや、生ゴミの話しより、
感情をコントロール出来たことと、
覚悟を持って洗ったことで解決したこと、
失敗ばかりの人生だったが、失敗した数だけ挽回の数も経験していたってこと、
おびえずもう一歩踏み込んだら人間関係がより強固になったってお話でした。

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