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「チームメンバーが育たない」という悩みがある方へ。

お疲れ様です。
みほ(https://twitter.com/miho_career)です。

今日は採用とは少し離れますが、採用に関係のあるような話。入社した人が育たないという悩みに関する話をしたいと思います。

もう数年前になりますが、私はメガベンチャーの人材サービス企業でプレイングマネージャー的立ち位置での新人チームメンバーの育成、人事部異動後の新人オンボーディング研修の企画と実行、その後コロナ禍での新チームマネジメントから各拠点の新人立ち上げなどを担当していた時期がありました。

今思えばこの時が起点となり今の自分が作られたような気もしています。
アカウント名の「人と組織を伸ばすひと」もここからきています。

それもあって、わりとこの話を聞きにくる人が多かったので、改めて自分がやっていたことを振り返って書いてみようと思います。

スキルアップのための人材育成HOWTOの部分は職種によって全然違うので、毎度同じように、考え方やスタンス、接し方などをメインでお話しします。

私の経験としてはポテンシャル採用中心の企業での10名以下のチームとなりますが、マネージャー(プレイングマネージャー含む)の方や育成担当の方、これからマネージャー職を目指す方などは参考になるかと思います。

教える存在ではなく導く存在

メンバー育成が上手く行っていません、なかなか伸びません、メンバーが自分の言うことを聞いてくれません、という悩みを抱えている人の多くがここの役割認識の部分で躓いている印象を受けます。

意外と面倒見が良いタイプだったり、仲間をよく見ているタイプの人、共感力があり人に寄り添える人がここで悩んでいるケースも多いのではないでしょうか。

このタイプのマネージャーが陥るのが、メンバーに「教えてあげないと!」という意気込みで手取り足取りガッツリ教えているにも関わらず全然メンバーが伸びない、という現象。

メンバーが育つためにはこの「教えてあげないと!」の部分のマインド修正が課題になります。

たしかに自分のチームのメンバー、とくに新人や若手メンバーであればあるほど教えてあげないといけないと思う気持ちも分かります。
責任感が強い人ほどこの傾向にあると思います。

が、私はこれまで相手が新卒であろうとポテンシャル採用の第二新卒でも未経験でも「教える」というスタンスではなく「導く」というスタンスで接してきたことで人と組織を良い方向に導いてきたと振り返っています。

あくまで実行するのは本人。
なので、自分主導で相手を引っ張るのではなく、相手の後ろから手を添えてエスコートするイメージです。

教えてもらう立場というマインドセットで仕事を始めるとどうしても受け身になります。

だからこそ、教えてあげるというスタンスではなく、その人が行きたい方向を明確にして、あなたがそこに到達できるように私を上手く使ってくださいね、という話を必ず最初の面談で本人にすることで、自分で自分の結果に責任が持てるようなマインドセットを行っていました。

まずは信じることから

ではなぜ、教えようとしてしまうのか。
これは潜在的に相手のことをできない人だと思い込んでいることが原因かと思います。
(もしくはできない部分が目についてしまっている状態かもしれません。ここはそのマネージャーの深層心理的なものが関わってくるのでここでは深く述べません。)

立ち上がりに課題がある人は、スキルや能力が足りないからできないのではなく、その仕事に取り組む上での在り方がきちんとセットされてないか、それによって行動量が足りていないか、もしくは努力の方向性を間違えているか、だいたいそんなところです。
これはあとから行動しながらいくらでも改善できます。

たしかに一定スキルが足りず離職というケースもなくはないかと思いますが、よく考えてみれば採用時の選考フローで人事や現場のマネージャーレイヤーの方々が面接である程度その点は見ているはず。入社してくれたということは、今はできなくてもできる素養があると会社が判断したということです。
(採用要件や選考基準含め戦略的に採用活動がやれている前提、というのもありますが。)


なので、新卒であっても、ポテンシャル採用であっても、今現時点のメンバーを見て、できていなかったとしても、出来なさそうだと感じても、「今はね」と自分に言い聞かせ、まずは、必ずやれる、やってくれる、できる、と信じて接することです。

そして、分からない時や迷う時はいつでも頼っていいと伝えた上で一旦信じて任せたあとは、本人からヘルプのサインがあるまではイチイチ細かく確認をしにいったり、手取り足取り構いすぎないことです。

あまり構いすぎると「自分はできない人なのかもしれない」と感じてしまう人もいますし、ここでメンバーを信じずに接してしまうと、それは相手に伝わります。これが伝わると相手はどんどん自信を失い、できるものもできなくなる。

よく、「根拠のない自信が大事だ!」と言われますが、これは本当にそう。

最初の立ち上がりは、本人が自分で自分のことを「できる」と信じてやらないと行動の質と量が担保できず、結果として成果に繋がらなかったりします。

とはいえ若手や未経験採用の場合、自信を持てと言われても本人はなかなか持ちづらいのが正直なところ。
だからこそ、受け入れる側が相手を信じることが大事だと考えています。

私自身、どちらかといえば立ち上がりが遅かったメンバーでしたが、メンバー時代の歴代の上司は、私を私よりもずっと信じてくれていて、そういうコミュニケーションを取ってくれていたからこそ、自分に自信が持て、ここまでこれたとも思っています。

相乗効果を生み出す成長の場づくり

今、教える存在ではなく導く存在であるという話をしました。
が、全く教えないわけにはいかない。成果を出す上でのノウハウやTips、その会社でのやり方や在り方は教える必要はあります。

が、マネージャーである自分が、それを教える立場で居続けないことです。もちろん入社してしばらくの間、基本的な日次の業務が習慣化するまでは教える立場でいいと思いますが、その後すぐにその役割から離れることがチームメンバーの成長に繋がると思っています。

例えば、新人のAさんと2年目のBさんとCさんがいたとします。最初はマネージャーである自分がAさんに直接の教えることになるとします。これを、少し慣れてきたタイミングで「〇〇についてはBさんが詳しいからBさんに、△△についてはCさんに聞いてみて!」とあえて伝え、それぞれに質問しにいってもらう。

これによってBさんやCさんは教える側になる。
人はインプットをした時よりもアウトプットをした時にその内容が定着するといいますが、教える立場に回る時が学習定着度が上がり*、一番成長できます。
(*参照:エドガーデールの学習の法則

教える立場になる機会を他のメンバーに与えることで、新人だけでなく他のメンバーの成長機会も作ることができます

これ以外にも、成功事例があれば都度、その人に話を簡潔にまとめてもらい、次の日の朝会や夕会で発表してもらうなどの場を設けるのもいいと思います。

ここで個人的に効果的なだと思ったのは、これを本人に伝えておくことです。

「Bさん〇〇得意ですよね。Aさんから〇〇の件で質問くると思うから教えてあげてほしい。」「Cさんは△△について周りと比べてすごくよくできているから、朝会の場でみんなにレクチャーしてほしい。」というように、なぜやってほしいのか?を添えて役割をきちんと与えておくことで使命感が生まれます。
すると、内容を試行錯誤してから伝えようとしてくれる人も多く、この”考える”プロセスも成長のきっかけになります。

これらを頻繁に実行することでチーム全体でアウトプットが習慣化し、自分が直接手を動かすことなく人が成長し、また、相乗効果でチームとして成長速度が一気に上がります。

また、これを繰り返すことで、各々が自分の得意領域や自信が持てる領域がだんだん見えてくるだけでなく、〇〇といえばBさん、△△といえばCさん、というようにお互いに強みを自覚し始めるので、より自信を持って取り組めるようになります。

私は、入社した人が活躍するためにはこういった人と人とが相乗効果を生み出す成長の場づくりが大事だと考えています。

おわりに

チームとして成果を出すためには一人一人の生産性を上げることが必要不可欠で、そのためには、メンバーには各々がオーナーシップを持って自走してもらう必要があります。

自走の定義が何かにもよりますが、私は、自分で自分がその組織内でどんな価値発揮ができるのか?考えて行動に移し成果を出すこと、だと考えており、前述した取り組みはそのために有効であると感じています。

チームで成果を上げるためには、いかに構ってあげるか、ではなくいかに手放せるかで、自分がいなくても勝手に数字が立つ状態を作るにはどうしたはよいか?を考え続けることがチームの成果と組織の発展に繋がると考えています。

私は当時、人事と兼任で短期的に現場を見ており「4ヶ月後にチームに別のリーダーを立てて、あなたはチームから抜けてください」というアサインだったこともあり、この意識でチーム運営に取り組まざるを得なかったのですが、それが良い方向に動きました。
そういった状況でない方も、自分がいなくなる前提でチーム運営をしてまると何か変わるかもしれません。

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