005 / 抜歯で呼吸困難に…!?
【2021年6月8日 (火)】
※血が写っている画像があります。
八重歯を抜いてはいけない理由
この日はB歯科で右上の八重歯を抜く。
A歯科の院長曰く、基本的に八重歯は抜かないようにしていて、その理由は二つあるのだそう。
私の右上の八重歯は小学生の時から唇の内側に隠れていて、咀嚼のために使われたことはない役立たずだ。それなのに虫歯にならないよう歯磨きしないといけないから、本当に面倒くさい。世話が焼ける。
小学生の頃、レントゲンを撮ったらこの歯が歯茎に対して垂直に生えて来ようとしていることが分かり、一週間入院して手術をした。歯茎をボコっと切り取って、まだ埋まっている歯に金属の装置をつけて下向きに生えるよう調整。
その時も「将来、矯正するかも知れないから」という理由でこの歯が抜かれることはなかった。どの歯医者でも八重歯の扱いは慎重らしい。
でも、今回は下記の理由からあっさり抜くことになったよ。君とは30年の付き合いだけど、とうとうお別れだ!!
自己負担のはずが保険が適用された
B歯科の院長先生はとっても気さくで、明るくてひょうきんなおじさま。どんな些細な質問にも答えてくれるから、とにかく安心感があった。
えー、びっくり!そういうこともあるのか!
歯列矯正に関わることは全て審美治療に該当すると思っていた。ラッキー♡
抜歯で呼吸困難になった
早速、表面麻酔。
憂鬱な面持ちで数分間待つ。
私が矯正に踏み切れない三つの理由の中に「痛み」がある。私は注射針が苦手で、小学生の私は大学病院での採血時に「殺されるーー!!!」と叫びながら院内を逃げ回ったし、今でもインフルエンザの予防接種は一週間前から憂鬱な気持ちになる。
今回抜く歯は唇をめくり上げないと出て来ないくらい上の方に生えていて、その歯の根元に麻酔針を刺すわけだから、鼻の真下あたりに麻酔針をねじ込むことになる。この「鼻の真下に」というのが私をビビらせていた。
表面麻酔が効いてきて、院長が「じゃあ刺すよ。すぐ終わるからね」と何てことない感じで言いながら、私の目の前に大きな注射針を差し出した。ひゃあ!
「せ、先生、ちょっと待って」と一度制止して大きく深呼吸。よし、がんばるぞ…。
いやいや、表面麻酔の意味よ!
これまでで一番痛い麻酔だったぞ!?
診察台の上で死人のように脱力しながら麻酔が効くのを待っていると、なんだか動悸がしてきた。あれ?気持ち悪い。めまいがするし息も吸えなくなって来た。
…。
あ、これはかなりヤバいやつだ…。
たぶん、人生で初めて「目が回る」を経験したと思う。私は診察台から体が半分落ちかけた状態になり、枯れた声を振り絞って近くにいた歯科衛生士さんに助けを求めた。
胸やけ、頭がくわんくわん回る、目の前がちかちか、脳がきゅーっと内側に収縮する感じ、喉がぎゅっと絞られる感じ、吐き気、頭痛、呼吸困難、意識朦朧…。そして本格的な過呼吸になり、気が付いたら酸素マスクをつけられていた。「歯医者に酸素マスクがあるの!?w」と心の中でツッコむ冷静な自分もいたけども。
この症状は「疼痛性(とうつうせい)ショック」と呼ばれているらしい。歯科治療に対する極度の緊張と不安から脈拍が早くなり血圧が上昇。冷や汗、めまい、吐き気、虚脱感、最悪の場合は意識を失うこともあるそう。数分間の安静や酸素吸入で回復するので、歯医者に酸素マスクがあるのは不思議なことではないんだって。
体質的に麻酔が合わないというのもあるだろうけど、今回は鼻の真下に針を刺すことへの恐怖心が強すぎたんだろうなぁ。
院長がゲロ用の桶を抱えて「そばにいるからね」と言って、号泣する私の肩をさすり続けてくれた。優しさが身にしみるぅ。
無事、抜歯完了!
20分後、私の呼吸が治まってきたのを見て、歯科衛生士さんがカチャカチャと器具を揃え始めた。院長がペンチで私の八重歯を掴んでからはあっという間だった。グリグリ回され、ボコッと引っこ抜かれ、はい終了。あれだけ大騒ぎしたのに何とも呆気ない。結局、閉院時間を大幅に超過してしまった。スタッフの皆さんごめんなさい。
抜いた歯は持ち帰った。全体的に黄色いのは神経が生きていないからなのかなぁ。よくわからないけど、この子は磨いても磨いてもまったく白くならなかったんだよね。
そして本日の雄姿がこれ。
私、よくがんばった!あと3本抜くのかと思うと気が重いわ。
これまでにかかった費用
5,000円かかる予定だったけど、
保険が適用されて2,000円以内に収まった♡
Miho