#41 近いように見えて
カフカの不条理小説の一つに ”塔” という小説があって、私はその小説をすべて読んだというわけでなく森本哲郎作のエッセイの中で紹介されている。
主人公は、仕事で請われてある街に来るが、まだ目的は知らされていない。とにかく街にそびえる塔に行かなくてはいけない。
この塔が、結構近くまで来ていると思えるのだが、なかなかたどりつけず、自分は何のために呼ばれたのかと疑心暗鬼になりながら塔を目指して歩くという話のようである。
あるとき、自分は、技術計算プログラムの改修を頼まれて、プログラ