無題

ある男性に体を売った

スキだからダイジョウブ
アタシシアワセ

そう自分に言い聞かせた

小さい頃、物心付き始めた頃、
両親は、私の前で喧嘩ばかりしていた
母親が精神病だったせいだ
子供心に不安だった
心配だった
明日には仲直りしてほしい

そう思いながら眠りにつく毎日だった
そうしていたある日
また親がいがみ合った
また喧嘩か…
心配しながら不安なまま眠りについた
その夜中
少し目が覚めた
すると
今までの喧嘩とは裏腹に
二人共裸だった
私はビックリして思わず泣いてしまった
すると母親が
みんなやってることじゃない、と一言
ショックだった
怖かった
幼い心は深く傷付いた
私がどれだけお母さんを心配してたか
子供らしく甘えられず幾夜も不安なまま眠りについていたのか
私の知らないところでは、お父さんもお母さんも仲良いんだ
悲しかった

そうして大人になった私は
少し歪んだ心を抱えるようになった
簡単な男にはすぐ服を脱ぐ
あの時の傷を癒やすために

北風の強い冬の日
寒そうに体を丸めて歩いていたから、編みかけだったマフラーをあげよう

思って

それだけしてあげたい


思って

愛されてると、すぐ誤解するその人は
私の真心だけで

私の親切心だけで

服を脱ぎ、アタシの体も映しながら
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