【パッケージの話014:段ボール印刷】
今回のパッケージの話は段ボール箱。カートンやパッキンとも呼ばれますね。段ボールにデザインする場合は大きくわけて2種類、直接印刷する場合と、オフセット印刷した板紙を段ボールに貼り合わせる(合紙)場合があり、今回は直接印刷する場合のお話です。
段ボールのフレキソ印刷
段ボールは厚みによってA〜G段と段階がありますが、最も薄いG段以外はフレキソ印刷になります。フレキソ印刷のイメージは昔ながらのみかん箱。グラデーションや細かい文字は再現できず、印刷色も限られた色の中から選ぶことがほとんど。他の印刷をする時の色チップは通用しません。ほとんどが1色か2色のデザインです。
段ボールの印刷色
たまたま段ボール印刷用インキ標準色のチップを借りていたので、この機会に色のイメージを書き出してみました。このチップは非売品のようで入手が難しく、段ボール印刷をするときに毎回色で悩むので、自分用のメモとしても必要なんです。
特にクラフト地ベースだと想像以上に色が沈むので注意が必要。同じ色でも全然色味が違いますよね。白の隠蔽性もあまりありません。
段ボールへのデザイン展開
前、個包装のお菓子のカートンを作ったことがありました。7種を色とデザインで分類したのですが、カートンにする際に再現できない色があったり、似た色を振り分けたりしました。段ボール印刷色に最初から縛られる必要はないと思いますが、カートンを作ることがわかっていたら頭に入れておいてもよいですね。
この場合の再現できない色は金刷でした。このカラーリングは製造現場での作業性にも関わることなので、クライアントさんとも相談し、他と差別化するために水色を選びました。
段ボール印刷用のデータはこんな感じです。商品が入って流通されるものなら、バーコードや表示の位置は最初から決まっていて、そこは外してデザインしないといけません。また、必要事項は黒もしくは黒に近い濃い色にする必要があるので色選びの際に注意が必要です。
カンプ作りは意外と簡単。薄いクラフト紙にプリントして段ボール箱に貼ればできあがり。
以前は段ボール箱までデザインすることは少なかったのですが、最近は「そのまま陳列して売れる」「工場内での識別が容易」などの理由に加え、ECサイト中心で販売する場合に配送用段ボールまで一貫したブランディングを行うことも増えてきました。段ボールは、箱(オフセット印刷)や軟包装(グラビア印刷)と同じような感覚でデザイン展開することが難しいという事は、頭に入れておいた方がいいですね。
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