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【パッケージの話:カンプ作成/個包装】
ここではフィルムでの個包装のカンプ作成方法を解説します。
紙ではなくフィルムなので何かと厄介。外箱と個包装など両方作って提案という事も多いので、知っておくと便利です。
透明フィルムは何で出力する?
透明フィルムでの出力は、知り合いの業者さんや出力センターにお願いする場合もありますが、時間がない時は通販印刷グラフィックで「透明PETシール」を1枚だけ発注します。事務所のプリンターでできない理由はただひとつ、白インクが印刷できないからです。(学校にUVインクジェットプリンタがある場合はぜひ活用しましょう。白インク引けます)
提案時はデザイン面のみ作成する場合が多いので、あらかじめ購入しておいた透明フィルム(100均などで売ってる包装資材の透明フィルムでOK)に発注したシールを貼って、袋にする。早いし、土日でも発注できるのが助かります。割高ですが完成度はぐんと上がり、カットパスデータを作るとカットもしてくれて、後加工でマット/光沢も選べます。最終の納期から逆算して入稿しましょう。
個包装のカンプを作ってみる
通販印刷グラフィックで発注したシールと、A-oneのラベルシール(ツヤ消しシルバー/インクジェット用)を組み合わせて作ったカンプを再現してみます。
この商品をデザインした際に立体カンプを作成しました。
(写真は実際に発売されている商品です)
パッケージの素材は以下の通り。
オーバーピロー=透明フィルム
内袋アルミ蒸着フィルム
フタ天面シール=紙
プレゼン時にはデザイン案の数だけこれを作ります。
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今日はこの内袋の方を改めて作ってみます。用意したのは以下。
・通販印刷グラフィックで発注したシール(白1色/透明PET,光沢)
・A-oneラベルシール ツヤ消しシルバー
・光沢紙の出力
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ラベルシールはサイズを印刷しておきます。フタのシールも光沢紙で出力。後で立体にするために、中に簡易に作った箱を入れるので段ボールの切れ端も用意。
まずは透明シールをツヤ消しシルバーのラベルシールに貼ります。黄色の台紙から少しはがして...
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位置を確認しつつ、少しずつ、乾いた布で擦りながら貼っていきます。素材の相性があるのでどうしても空気が入ったり、変な模様が出たりする時もありますが...めげずに丁寧に貼っていきます。
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全部貼れたら、中に段ボールの箱を入れて袋にします。これはガゼット袋なのでマチの真ん中にも折りを入れてます。
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背貼りをして、上下のシール部分をはりつけます。これは元々ラベルシールなので、剥離紙をはがしつつ貼りました。製袋ができたらフタシールを貼ります。
できあがり!やや質感に違いがありますが、かなり商品のイメージに近い形状のカンプになっています。
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精度の高いカンプを作る意味
さまざまな素材のカンプを作るのは大変です。それでもできるだけ商品に近いカンプを作るように心がけているのは、
・自分自身が立体でデザインを確認したい
・実際に売られている形でデザインを判断してほしい
という理由から。
今はお仕事の流れや状況で、平面で提案することもありますが、こちらの意図したイメージがちゃんと伝わってるかなど不安に感じることもあります。立体だと存在感や質感が一目瞭然なので、判断もしやすい。
あとは私自身がちまちまと工作することが好きなんでしょうね。平面だけで終始すると消化不良に感じることも(笑)デザインが立体になった時の充実感はほんと格別です。