大人は余白に弱い
童謡『ふるさと』が好きだ。
兎追いしかの山 小鮒釣りしかの川
夢は今もめぐりて 忘れがたき故郷
如何にいます父母 恙なしや友がき
雨に風につけても 思いいずる故郷
こころざしをはたして いつの日にか帰らん
山はあおき故郷 水は清き故郷
遠い故郷の情景を思い出したり、
皆はどうしてるかと振り返り、郷愁にふける様子。
そして、
故郷を想いながらも自分の志を果たす決意が表現されている。
(※解釈は諸説あります)
大学のときの卒業試験で、
最後に皆でふるさとを合唱する謎の行事があったのだが、
歌詞に自分の身を重ね、
練習の時から既に涙ぐんでいた。(本番はもちろん泣いた)
特に故郷の地がすごく好き!というわけでもないし、
うさぎを追いかけたことも小鮒を釣ったことも無いけれど、
自分の生まれ故郷の情景や
上京してきたときの想いが、
この美しい歌詞と余白から自然と思い起こされる。
日本人の心にするっと入ってくる歌だと思う。
『ふるさと』の作詞作曲をしたコンビは、
他にも多くの歌曲を残している。
『朧月夜』も大好きだ。
菜の花畠に 入り日薄れ
見わたす山の端 霞ふかし
春風そよふく 空を見れば
夕月かかりて におい淡し
里わの火影も 森の色も
田中の小路を たどる人も
蛙のなくねも かねの音も
さながら霞める 朧月夜
なんと美しい日本語だろうか。。
こちらもまた、シンプルで余白が残されている歌詞に、情景を思い浮かべることが出来る。
年齢を重ね、
元々あるロマンチストの性質が濃くなり、どんどんこういうのに弱くなってきた。
普段の会話で話さないような日常外のことを文章に書くのはちょっと難しい。
でもnoteでしか書けないな、とも思う。
と、書いていたらいまテレビで
おじいさんがふるさとを歌っていたので笑った。
では。
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