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地球が太陽の周りを回っていることが理解できなかった

僕は物理学を専門とする大学院生だ。しかし、地球が太陽の周りを回っていることが昔理解できなかった。

小学生のころから地球が太陽の周りを回っているということは知っていた。学校で習う前にすでに本か何かで知っていたように思う。

しかし僕は中学生になって、なぜ地球が太陽の周りを回っている、と言えるのか分からなくなった。地球が太陽の周りを回っていると考えても、逆に太陽が地球の周りを回っていると考えても良いのではないか、と思ったのだ。

なぜなら、どちらにしろ地球と太陽の相対的な位置関係は変わらないからだ。どちらがどちらの周りを回っているかと言うのはどちらに観測者を置くかという話であってその運動の本質ではないと考えたのだ。といっても、はじめから観測者の置き方の違いに気がついたわけではない。確か相対性理論についての本を読んで、観測者の置き方の違いの話を思いついたのだったと思う。

他の太陽系の惑星も考えると、地球が回っていると考えた方が統一的だが、もしも対象を太陽・地球・月の3つに絞ったら、太陽が回っていると考える方が統一的だ、とも考えた。要するにモノの見方の問題ではないかと疑ったのだ。

いま思えば、なぜ太陽ではなく地球が太陽の周りを回っていると考えるのか、当時はキチンと説明されなかったように思う。

その後、大学で物理学を学んでようやく、地球は太陽の周りを回っている、と言えるようになった。太陽と地球の2体系の重力による運動を計算すると、その公転運動の重心は太陽の十分に内側にある。そのため、地球は太陽の周りを回っていると近似して良いのだ。つまり実は太陽も地球の周りを回っているが、質量が地球に比べて十分に大きいため、静止しているとみなして良い、というカラクリだ。

僕は大学生になって、やっと本当の意味で地動説を理解したのだ。

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右螺子(理系大学院生)
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